昨年末に開催された同人誌即売会「コミックマーケット83」に、日本マイクロソフトが企業ブース枠で初めて出展した。
同社のクラウドプラットフォーム「Windows Azure」のイメージキャラクター・クラウディア窓辺、そしてDSP版 Windows 8の(非公式)イメージキャラクター・窓辺ゆうとあいなど、日本マイクロソフトのキャラクターが勢ぞろい――この試みは大きな話題を集め、様々な媒体で取り上げられた。
この出展、日本マイクロソフトとしては、"コンシューマユーザーに近い企業である!" というアピールをすることと、"実はコミケはIT企業で働く人との親和性が高いのでは?" という点を実地調査することが、狙いであった。
果たして「コミックマーケット83」への参戦は、その狙い通りとなったのだろうか?
Windows AzureでのWebカタログは問題なく稼働
2012年12月29日から31日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された同人誌即売会「コミックマーケット83」。3日間で約55万人という参加者数から見ても、年末のイベントとしては例年通り規模の大きなものとなった。
「今回、実験的な試みとして出展しました。Windows 8をこれまでとは違う環境で販売する、そしてコミケ会場でアンケートを行い、IT業界と親和性の高い入場者が多いのかサーベイする。結果がヒットでも、不発でも、とにかくトライしてみようということだったのですが、販売、アンケートともに大きな成果を得ることができました」と、日本マイクロソフトのデベロッパー&プラットフォーム統括本部 砂金信一郎エバンジェリストは初のコミケ出展をこう振り返る。
日本マイクロソフトのデベロッパー&プラットフォーム統括本部 エバンジェリストの砂金信一郎氏 |
今回の取材にあたり通された部屋は、大型液晶テレビやスピーカーなど、AV機器が充実した部屋だった。必要に応じてKinectを楽しむ部屋だという |
コミケ83では、従来は紙の厚い冊子だったコミックマーケットカタログが、Webサービス化された。そのWebカタログに「Windows Azure」が採用されたことが、同社のコミケ出展のきっかけとなったが、これについても、アクセスが集中する開催期間中の3日間、一度もダウンすることなかった成果を得た。
コミケ83開催期間中のTwitterなどでは、「サイトに繋がらない!」といった声もあったものの、「サーバー側の問題ではなく、利用された方のネットワーク状況による問題で、そういう事態となっていたようです。Azureはテレビ番組のように、瞬間的にアクセスが集中するサービスに利用された実績もあります。今回は問題なく、運用できたといえる成果となりました」(砂金氏)と、実際の運用に問題はなかった。
現在、Webカタログはベータ版という位置付け。今後、正式版となるのかについては、「それは我々ではなく、コミケ主催者側の決定となります。ただ、技術的な点ではWindows Azure上で問題なく稼働することが証明できたと思います」(砂金氏)という状況となっている。