Windows 8アプリコレクション - クラウド化を推し進めるオンラインストレージ用Windowsストアアプリ

もう一つの選択肢「SugarSync」

日本国内でオンラインストレージサービスを提供している企業は多いが、前述したSkyDriveやDropboxと並んで個人ユーザーに人気なのが、「SugarSync」。2008年3月のサービス開始直後から同種サービスの雄として注目されており、以前からDropboxと双璧をなしてきた。

公式ブログによると、2012年10月にWindowsストアアプリをリリースし、その後も多くのアップデートを行っている。今回Windowsストアアプリ版を試したところ、メッセージも日本語化されており、同サービスに慣れていないユーザーでも抵抗なく使用できるだろう。

残念ながら検索機能は備わっておらず、ファイルピッカーにも対応していないが、アップロード/ダウンロード、共有といった基本的な機能は備わっている。なお、専用デスクトップアプリをインストールしないと自動同期は行われない（図09～11）。

図09　Windowsストアアプリ版「SugarSync」。各フォルダーをサムネイル表示し、メッセージも日本語化されている

図10　SugarSync上のファイルを右クリックすると、アプリバーが現れる。ここから任意のアクションを実行可能

図11　ファイルを選択した状態で共有チャームを呼び出せば、他のWindowsストアアプリで共有できる

他のオンラインストレージサービスのクライアントと共通して言えるのが、オンラインストレージをローカルディスクと別の存在として扱っている点である。確かにファイルピッカーに対応すれば大半の問題は解決するが、同機能が提供するUIは冗長で使いにくい。三つのオンラインストレージサービスクライアントを鳥瞰（ちょうかん）しても機能的な大差はなく、いずれも専用のデスクトップアプリをインストールしなければ自動同期機能も動作しない。

そのためWindows 8をデスクトップ型/ノート型コンピューター向けOSとして利用している場合、各Windowsストアアプリを改めてインストールするメリットは大きくない。それでも多くのユーザーが、複数のオンラインストレージサービスを併用していることを踏まえると、もう一つの選択肢として使用している同サービスのクライアントを選択するのが正しい利用方法となるだろう。

阿久津良和（Cactus）