GH3のコントラストAFは高速で、ピント精度は極めて高い。加えて、通常のシャッター半押しのほか、前述のアイセンサーAF、ファインダーを覗きながら液晶モニターでAFポイントを設定できる「タッチパッドAF」、(ライブビュー状態で)モニター上の被写体にタッチするとピントを合わせてシャッターを切る「タッチシャッター」などアプローチも豊富だ。

フォーカスポイント数は最大23点だが、フォーカスモードで1点AFを選択した場合でも、フォーカス枠の大きさを指でなぞって調節可能。ピントの合う範囲を視覚的に分かりやすく、こだわりを持って設定できる。もちろん、モニタ上でタッチした被写体をAFが追い続ける「追尾AF」も利用できる。なお、連写速度はメカシャッターで6コマ/秒、電子シャッターで20コマ/秒だ。

しかもタッチパネルの感度と精度は抜群。とにかく操作が快適だ。再生時に、スマートフォンのようなフリック操作で写真を次々と繰っていけるのも面白い。この点は、さすがカメラにいち早くタッチパネル操作を採り入れたパナソニックならではのアドバンテージだ。近ごろ増えてきた他社のタッチパネル搭載機に比べて、一日の長、いや、頭ふたつもみっつも抜きん出ているといっていい。

GH3のセンサーは、有効画素数約1,605万画素の新開発Live MOSセンサー。その性能を最大限に引き出すためにローパスフィルターおよび「ヴィーナスエンジン」をまるごと刷新するほど気合いが入っている。その連携の恩恵のひとつが、高感度対応だ。最高感度がISO12800になり、拡張により低感度ISO125に加え最高感度をISO25600に高めている。また、連写された画像を比較・解析してノイズ低減を行う「3DNR(ノイズリダクション)」や「マルチプロセスNR」といった技術も同社の他製品からフィードバックされて搭載されている。実際、大判プリントでもするのでなければ、ISO3200くらいまでは十分使えそうな画質だ。掲載しているものは撮って出しのJPEGだが、RAWで撮ってからJPEGに書き出せば、画質低下はさらに抑えられる。

今回試用したレンズは、LUMIX G X VARIO 12-35mm/F2.8 ASPH./POWER O.I.S. H-HS12035のみ。したがって、あくまでこのレンズとの組み合わせでという前提ではあるが、いかにもヴィーナスエンジンらしいどっしりとした存在感を感じさせる画作りは、LUMIXの王道を行く印象だ。それゆえ、豊富に用意された「クリエイティブコントロール」や「シーンガイド」など作風や色調アレンジの効果も大きいと思われる。

動画撮影は、AVCHD(60p、60i、24p)に加え、より高画質・高音質で撮影できる、高ビットレート72Mbps(ALL-Intra)・50Mbps(IPB)に対応したMOV形式の動画記録モードを搭載。動画の編集作業に適した高ビットレートでの撮影が行える。音声記録は劣化の少ない非圧縮リニアPCMを採用。音声にもこだわるユーザー垂涎の仕様だ。

選択されている動画記録方式がひと目で分かる。モードを変えると残り記録時間も変わるのが親切

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