大人のためのスポーティ・エレガンスウオッチ「OCEANUS(オシアナス)」。そのプレミアムライン「Manta(マンタ)」の最新作「OCW-S2400」が、ついに店頭に並んだ。前作「OCW-S2000」からがらりと表情を変えたダイヤル、またバリエーションとしてピンクゴールドモデルが用意されるなど、時計としての美しさと鮮烈な存在感で見る者を魅了する。今回はそのデザイナーである冨吉剣人氏に、新たなるOCEANUSの顔ともいうべきデザインに込めた思いを伺った。

OCEANUS Manta「OCW-S2400」
(H)47.6mm×(W)42.6mm×(D)11.7mm
価格:15万7,500円

OCEANUS Manta「OCW-S2400PG」
(H)47.6mm×(W)42.6mm×(D)11.7mm
価格:16万2,750円

エレガンスを兼ね備えたユーザビリティ

―― まず、「S2400」の総合的なデザインコンセプトから教えてください。

カシオ計算機 デザインセンター 冨吉剣人氏

冨吉氏「OCEANUSの包括的なデザインコンセプトとして、都会や海というキーワードや、ヨットでのクルージングというイメージがあります。ヨットといってもスポーツとしてのヨット競技ではなく、夜の海にヨットを浮かべてお酒を嗜む…、そんな大人のゆったりとした時間をイメージしています。

そんな中で、前作のOCW-S2000はどちらかというと王道的なクロノグラフのデザインで、スポーティーなイメージに軸足を置いたデザインでした。そこで今回のOCW-S2400では、よりエレガントな方向にシフトしました。

ダイヤルのデザインは、見た目だけでなく、針の動きも考慮しています。というのも、針の動きにも落ち着きや気品を与えたかったから。OCW-S2000はモード切替時に、各針が同時に、非常にダイナミックに動きます。しかしOCW-S2400では、モードを切り替えてもセンター針は常にホームタイムを指していますし、ストップウオッチモードでも必要な針しか動きません。より機械式時計に近いデザインや動きに帰結することで、OCEANUSの世界が際立つと考えたのです」

美しさと視認性を高いレベルで両立させるための工夫が詰まったダイヤル

―― 確かに、非常にユニークなダイヤルデザインですね。

冨吉氏「OCW-S2400のデザインは、OCW-S1400のダイヤルをヒントにしています。OCW-S1400のデザインは、カシオらしさにあふれたダイヤルレイアウトとして非常に好評なんですよ。といっても、もちろん、OCW-S1400そのままではなく、使いやすさ、分かりやすさを向上させるなど、デザインの質をさらに高めています。

例えば、OCW-S1400ではセカンドタイム(ワールドタイム)が8時位置にありました。が、OCW-S2400ではこれを3時側に移動しています。これは、OCW-S2400がスマートアクセスを搭載しているから。りゅうずを一段引いて回すと、セカンドタイムの調整、もう一段引いて回すと、センター針が動いてホームタイムの調整が行えます」

OCW-S2400(右)は、OCW-S1400(左)のダイヤルデザインを継承しているが、並べて見比べると比べるとブラッシュアップされていることが分かる

―― なるほど、これは直観的で分かりやすいですね。

冨吉氏「この位置には、ほかにも意味があります。時計が袖口の中に半分隠れてしまっても、3時側のインダイヤルは見えるんですよ。セカンドタイムはすぐに確認したい人が多いでしょうから」

―― これは細かい部分ながら気が利いていますね。ところで、3時位置に変わっただけでなく、24時間計から12時間計に変更されていますね。

冨吉氏「やはり、見慣れた12時間計が使いやすいだろうと。その代わり、AM/PM計を付けました。実はこれ、OCW-S2400のコンセプトのひとつでもある"ウオッチ・イン・ウオッチ"を体現するアイキャッチでもあり、配置にはかなり気を使っているんですよ。

ユーザーに『あれ? これは何だろう?』と思ってもらうことで、『あぁ、もう一個時計が中に入っているんだな』ということが分かる。AM/PM計を付けたので、セカンドタイムのインダイヤルはあえて『12』と『6』のみというシンプルな表記にしています」

これが、セカンドタイムを3時位置に移設した効果。ホームタイムとセカンドタイムは、ボタンを押して瞬時に入れ替えることが可能

3時位置のセカンドタイム左下にAM/PM計を備える

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