auの4G LTE自体のサービスはiPhone 5の発売と同時にスタート。現在エリアを拡大中だが、千葉県習志野市の筆者宅も先日エリア化されるなど、エリアは確実に広がっているようだ。
今回筆者がCellularモデルで期待しているのは、この4G LTEを使ったテザリングだ。バッテリ容量が大きく、バッテリ消費自体も緩やかなiPad miniを使えば、長時間のテザリングが可能な無線LANルーターにならないか、と考えたからだ。
当初はau版のiPad miniしかテザリングに対応していなかったが、12月6日からはソフトバンク版もテザリングに対応。どちらを使ってもテザリングを利用することができる。
実際にテザリングを利用するには、iPad miniの設定画面から「インターネット共有」を選択して「インターネット共有」をオンにするだけ。SSIDはiPad mini名となっており、PCに接続してiTunesからiPad mini名を変更すれば、SSIDも変更される。あとは任意のパスワードを設定する。パスワードはなるべく長く、推測されにくいものにした方がいいだろう。
テザリング機能では、無線LAN、Bluetooth、USBという3種類の方法を選択できる。もっとも高速で安定しているがUSB接続だ。しかし、こちらはケーブル接続した端末1台でしか利用できない。一方、無線LANは高速で複数台の端末をワイヤレスで接続できる、Bluetoothは低速だが低消費電力で複数の端末をワイヤレスで接続できる、といった特徴を持っている。
実際にテザリングを利用、使い勝手はいかに?
それでは、実際にテザリングを利用してみたい。今回は無線LANルーター代わりに複数端末をiPad mini経由でネットに接続したいため、無線LANまたはBluetoothでテザリングするかたちになる。
無線LANの場合、インターネット共有をオンにしたあと、接続したい端末の無線LAN設定で、先ほどのSSIDとパスワードを入力して接続する。
テザリングに成功すると、iPad mini側は、画面上部が青くなり、「インターネット共有:1台接続中」といった表示になる。
接続は簡単で、いったんインターネット共有で接続すれば、4G LTEの高速通信を複数の端末で利用できる。無線LANは携帯ゲーム機やiPod touch、デジタルカメラなど、多くの機器が対応しており、汎用性が高い。
ただ、消費電力が大きく、スリープ状態だと新規接続できないのが難点だ。特にスリープの問題が大きい。
画面オンの状態でもインターネット共有で接続していれば、iPad miniがスリープになってもインターネット共有は継続する。1つでも接続している状態なら、iPad miniがスリープ状態でも、ほかの機器が新たにiPad miniに接続することはできる。
ただ、いったん接続が切れると外部からiPad miniには無線LANで接続できなってしまう。その場合、iPad miniを取りだして、いったんスリープを解除しなくてはならないのだ。例えばスマートフォンを1台だけ接続した状態で使っていて、道を歩いている間にスマートフォンがスリープになって無線LANがオフになり、iPad miniとの接続が切れたという状態になった場合、次にスマートフォンを取りだして使おうとしても、もうiPad miniの無線LANにはつながらなくなる、というわけだ。
これを回避するには、iPad miniがスリープにならないようにする、という方法がある。この方法はiPad miniの設定から「自動ロック」をオフにして、画面をずっとつけっぱなしにするといったもの。この方法であればスマートフォンでいったん接続を切っても、いつでもインターネット共有を利用できる。
ただこの場合、バッテリ消費が大きくなってしまい、駆動時間も極端に短くなってしまう――と思われるだろう。しかし、画面輝度最低・通知オフの状態でテストしたところ、8時間23分たった時点で19%のバッテリ残量があり、使ったデータ量は、送受信合わせて469MBだった。