逆の力が加わっても大丈夫 - 強化した外装とヒンジ部

さらに、強度という観点ではこんな工夫もしている。

「dynabook R822」のスライド&チルト方式では、キーボードを出した状態でタブレットとした場合に、通常のノートPCのようにディスプレイを起こそうとする動作が想定される。また、ノートPCスタイルの場合には、一般的なノートPCのように、ディスプレイを閉じるような動作を誤って行うことも想定される。これらの動作は「dynabook R822」の構造上、逆の力が加わることになるが、そうした動作を行った場合でも耐久性には問題がない構造としている。

加えて、スライド&チルト方式の駆動部については、強度のあるマグネシウム素材を採用。さらにプラスチック部も、強度を高くするための素材を混ぜた強化プラスチックを採用し、強度を高めている。

スライド&チルト方式の駆動部はマグネシウム素材

「dynabook R822」は、液晶ディスプレイに1,366×768ドットの12.5型タッチパネルを採用した。パネルはIPS方式であり、視野角が広いのが特徴。また、タッチパネルは5点マルチタッチ対応の静電容量方式となっている。

「11.6型、あるいは13.3型というディスプレイサイズも検討にはあがったが、重量、厚み、コストなどを考慮した結果、12.5型のディスプレイを採用することになった」と横手主務は語るが、「最大の理由は、しっかりとしたキーボードを収めることができるサイズとして、12.5型が最適だったため」とする。

一方で、重量に関しては、1,45kgを切ることを目標に取り組んできたが、最終的には1.49kgという重量に落ち着くことになった。タッチパネルの重量、そして耐久性とスムーズな動作を実現したヒンジが、トレードオフとして重量を増やすことにつながったのは仕方がないことかもしれない。

しかし、薄さに関しては、19.9mmを達成。タッチパネルを搭載したUltrabookに求められる20mm以下をクリアする仕様とした。「左右のヒンジ部、スムーズなスライドを実現するギア形状のガイドを、液晶ディスプレイの両側部分に配置したことで、厚みを抑えることができた」(横手主務)という。

有線LANは非搭載 - 「無線LANが一般化している」

「dynabook R822」では、CPUにIntel Core i5-3317U(1.70GHz、ビデオ機能内蔵)を搭載。Windows 8 64bitを採用し、4GBのメモリと、128GBのSSDを搭載している。バッテリー駆動時間は約6時間。本体サイズは約326.5×213×19.9mmだ。

また、Office Home and Business 2010のほか、Adobe「Photoshop Elements 10」、「Premiere Elements 10」も付属。加えて、内蔵カメラの利用に最適化した「CyberLink YouCam for TOSHIBA」や、写真の管理ができる「思い出フォトビューア」といった東芝独自のアプリケーションも充実している。

インタフェースには、USB 3.0を2基、SDカードスロット、HDMI出力端子のほか、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0を採用。その一方で、有線LANポートの採用は見送った。「無線LANが一般化していること、また、USBポートを利用して有線LANに接続できるオプションを用意しており、それにより対応できる」という理由からだ。

背面にはUSB 3.0とHDMI端子を装備

右側面にはマルチメディアスロット

左側面にはUSB 3.0のほか音量ボタン、電源ボタンなどを装備

さらに、加速度センサー、角速度センサー(傾きセンサー)、地磁気センサー、照度センサーを内蔵しているのも特徴で、これらを利用したアプリケーションの活用も注目されよう。また、タブレットとして利用した際に、ファンの吹き出し口が手に触れないようなレイアウトにも配慮。電源ボタンの位置もタブレットとしての操作時には邪魔にならないように配慮している。

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