Windows 8の発売にあわせて、この秋から年末にかけてはタッチ操作対応のモバイルPCが続々と登場する。10月末に東芝が発売した12.5型Ultrabook「dynabook R822」もそのひとつで、スライド型の液晶ディスプレイによる独自の変形機構が特徴だ。
このギミックが、モバイルPCにどんな新しい使い方をもたらしてくれるのか。早速実際に試してみよう。
■主な仕様 [製品名] dynabook R822/T8G [CPU] Core i5-3317U(1.70GHz、最大2.60GHz) [メモリ] PC3-12800 4GB(4GB×1、増設不可) [ストレージ] 約128GB SDD [光学ドライブ] なし [グラフィックス] Intel HD Graphics 4000(CPU内蔵) [ディスプレイ] 12.5型ワイド(1,366×768ドット) [OS] Windows 8 64bit [価格] 129,800円より(東芝ダイレクト販売モデル R822/WT8GS)
画面が180度開く「フラットスタイル」に特徴あり
ご存じのようにWindows 8は、これまでのWindowsの世界と、タブレットなどタッチ操作型デバイス向けのユーザーインタフェースを融合させたものだ。これに対応する形で、PCメーカーはノートPCとしてもタブレットとしても使える新製品を各社競うように発売している。
ノート型とタブレット型の2スタイルをどのように切り替えるかはメーカー毎に異なっており、例えばソニーの「VAIO Duo 11」はディスプレイ部分がスライドしながら立ち上がる機構で、パナソニックの「レッツノートAX2」はディスプレイ部分が360度回転する2軸ヒンジで、2つのスタイルの転換を実現している。
今回の「dynabook R822」は、"スライド&チルト機構"と呼ばれる独特の構造でタブレットからノートPCへの変形を可能にしている。タブレットスタイルの状態でディスプレイ部分を水平にスライドさせると下からキーボードが現れ、さらにディスプレイ部分を手前に立ち上げることでノートPCスタイルになる。
東芝では、ディスプレイをスライドさせてキーボードが見えた状態を「フラットスタイル」と呼んでおり、タブレット、ノートPCの各スタイルとあわせて合計3スタイルで利用できることを優位点としてアピールしている。
「タブレットスタイル」から「フラットスタイル」を経て「ノートPCスタイル」に至るまでの変形の様子。ディスプレイの引き起こしはスライド部を全開にしたときのみ行える。また、スライド途中でキーに触れて誤入力とならないよう、キーボードは全開時のみ有効となる |
ディスプレイの解像度は1,366×768ドットで、最近の液晶パネルとしては特に高精細ではないが、従来のWindowsソフトを使う場合これ以上高精細になると文字やボタンの表示がさらに小さくなるため、12.5インチサイズならこの程度の解像度を支持するユーザーも少なくないだろう。パネルの駆動方式は視野角の広いIPS方式なので、テーブルに置いて使う場合も一定の視認性が保たれている。
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