用途に合わせて選択できる復元操作

次はバックアップデータを復元する操作を解説しよう。前述した「ワンステップバックアップ」に応答するように、数ステップの操作で復元操作を行う「ワンステップ復元」という機能が用意されている。同じようにバックアップデータの選択と復元先のドライブを選択するだけで一連の操作が完了する便利な機能だ。操作はWindows 8上で行うが、実際に復元作業はテキストモードで実行される。そのため、コンピューターの再起動が数回行われるが、すべて自動的に行われるので離席していても問題はない(図22~26)。

図22 Arkランチャーの「復元」に並ぶ「ワンステップ復元」をクリック

図23 バックアップデータと復元先の選択を求められるので、正しい内容を選択してから「復元開始」ボタンをクリック

図24 確認をうながすダイアログが現れたら「はい」ボタンをクリック

図25 コンピューターが再起動し、バックアップデータを用いた復元が始まる。進捗状況を示すパーセンテージを見ながら完了まで待つ

図26 復元完了後は自動的にコンピューターが再起動し、Windows 8が起動する

「ドライブのバックアップ」に応答するのが「ドライブの復元」。一つのバックアップデータを任意のドライブに復元することが可能だ。パーティションサイズが異なる場合も自動調整されるため、バックアップデータの内容を確認しながら復元操作を行いたい場合は、本機能を使用した方がよい。ただし、Windows 8には、Windows RE(Recovery Environment:回復環境)とリカバリー用Windowsイメージを格納する回復パーティションがディスクの先頭に用意されている(正しくはWindows Vista以降導入されたロジックである)。

図29の画面を見るとWindows 8のホストドライブをバックアップした「Magicb_C.hdz」と回復パーティションをバックアップした「Magicb_Disk0Part0.hdz」という二つのバックアップデータがあることに気付くはずだ。バックアップデータ誤って選択してしまうと、Windows 8が起動しなくなる可能性があるので、「ドライブのバックアップ」を実行する際は、バックアップデータがホストドライブのものであるか、よく確認してほしい(図27~35)。

図27 Arkランチャーの「復元」に並ぶ「ドライブの復元」をクリック

図28 バックアップファイルの選択を求められるので「参照」ボタンをクリック

図29 任意のバックアップファイルを選択して、「開く」ボタンをクリック

図30 これでバックアップファイルの選択が完了した。「バックアップファイルの情報」を確認し、間違いないようであれば「次へ」ボタンをクリック

図31 次に復元先の選択を求められる。通常はホストドライブが選択された状態のまま「次へ」ボタンをクリック

図32 復元の概要が表示されるので、間違いがないか確認しておこう。問題ないようであれば「開始」ボタンをクリック

図33 最後に確認をうながすダイアログが現れる。「はい」ボタンをクリックして復元を実行しよう

図34 コンピューターが再起動し、バックアップデータを用いた復元が始まる。進捗状況を示すパーセンテージを見ながら完了まで待つ

図35 復元完了後は自動的にコンピューターが自動的に再起動し、Windows 8が起動する

もう一つの復元方法である「ドライブの詳細復元」は、復元先に制限を設けていないため、他のコンピューターに復元する場合などさまざまなシチュエーションに柔軟に対応できる機能だ。もちろんコンピューターに関する一定以上の知識が必要となるため万人向けではないが、複数のバックアップデータを連続して復元できるため、操作に慣れるとこちらの方が便利だ(図36)。

図36 「ドライブの詳細復元」では、復元先のドライブを自由に選択できる

なお、同一のコンピューターに対する復元は問題ないが、GPTディスク上にWindows 8をインストールし、そのバックアップデータを別のコンピューターに復元する場合。また、同一のコンピューターでもHDDを換装した場合は、Windows 8の起動に必要な修正を行う「環境修復ツール」を復元操作後に実行しなければならない。製品DVD-ROMからコンピューターを起動し、Arkランチャーの「便利ツール」から実行しよう(図37)。

図37 製品DVD-ROMから実行できる「環境修復ツール」

このように「HD革命/BackUp Ver.12 Windows8対応」は、Windows 8に完全対応し、従来のフルバックアップ環境を提供する重要なアプリケーションとなった。同OSの「ファイル履歴」を使用しながらも、フルバックアップ環境を欲するユーザーはぜひ注目してほしい。なお、既存ユーザーは公式サイトのダウンロードページから「Ver.12.0.2アップデータ」を適用すれば、Windows 8に対応できる。