用途に合わせて選択できる復元操作
次はバックアップデータを復元する操作を解説しよう。前述した「ワンステップバックアップ」に応答するように、数ステップの操作で復元操作を行う「ワンステップ復元」という機能が用意されている。同じようにバックアップデータの選択と復元先のドライブを選択するだけで一連の操作が完了する便利な機能だ。操作はWindows 8上で行うが、実際に復元作業はテキストモードで実行される。そのため、コンピューターの再起動が数回行われるが、すべて自動的に行われるので離席していても問題はない(図22~26)。
「ドライブのバックアップ」に応答するのが「ドライブの復元」。一つのバックアップデータを任意のドライブに復元することが可能だ。パーティションサイズが異なる場合も自動調整されるため、バックアップデータの内容を確認しながら復元操作を行いたい場合は、本機能を使用した方がよい。ただし、Windows 8には、Windows RE(Recovery Environment:回復環境)とリカバリー用Windowsイメージを格納する回復パーティションがディスクの先頭に用意されている(正しくはWindows Vista以降導入されたロジックである)。
図29の画面を見るとWindows 8のホストドライブをバックアップした「Magicb_C.hdz」と回復パーティションをバックアップした「Magicb_Disk0Part0.hdz」という二つのバックアップデータがあることに気付くはずだ。バックアップデータ誤って選択してしまうと、Windows 8が起動しなくなる可能性があるので、「ドライブのバックアップ」を実行する際は、バックアップデータがホストドライブのものであるか、よく確認してほしい(図27~35)。
もう一つの復元方法である「ドライブの詳細復元」は、復元先に制限を設けていないため、他のコンピューターに復元する場合などさまざまなシチュエーションに柔軟に対応できる機能だ。もちろんコンピューターに関する一定以上の知識が必要となるため万人向けではないが、複数のバックアップデータを連続して復元できるため、操作に慣れるとこちらの方が便利だ(図36)。
なお、同一のコンピューターに対する復元は問題ないが、GPTディスク上にWindows 8をインストールし、そのバックアップデータを別のコンピューターに復元する場合。また、同一のコンピューターでもHDDを換装した場合は、Windows 8の起動に必要な修正を行う「環境修復ツール」を復元操作後に実行しなければならない。製品DVD-ROMからコンピューターを起動し、Arkランチャーの「便利ツール」から実行しよう(図37)。
このように「HD革命/BackUp Ver.12 Windows8対応」は、Windows 8に完全対応し、従来のフルバックアップ環境を提供する重要なアプリケーションとなった。同OSの「ファイル履歴」を使用しながらも、フルバックアップ環境を欲するユーザーはぜひ注目してほしい。なお、既存ユーザーは公式サイトのダウンロードページから「Ver.12.0.2アップデータ」を適用すれば、Windows 8に対応できる。