"女性は悩みたがるもの" - 絞り込んだ端子と増やしたカラーバリエーション
女性をターゲットにしたことで、これまでのPCにはない思い切った割り切りが、Floral Kissに採用されている点も見逃せない。
例えば、キートップには英文字だけが記載されており、一般的な日本語キーボードに書かれているカナ文字はない。同社Web直販「WEB MART」のカスタマイズでも、カナ表示のキーボードは選択できないという割り切りようだ。
キーボードのすっきり感とエレガントさを演出するのが狙いであるが、「1,000人の女性にアンケートをとったところ、カナ入力の女性は1人もいなかった」という結果も、カナ表記がないキーボードの採用につながっている。
さらに、13.3型サイズのPCでありながら有線LANポートを搭載しないなど、インタフェースの数も最低限にした。側面のデコボコ感をなるべく少なくしてガジェット感をなくすという、同様の割り切りからだ。
「女性がPCを使う時、最低限必要なインタフェースに絞り込む一方、USB 3.0コネクタの内側も(一般的な青色ではなく)本体と同色にする、といったこだわりは譲らなかった」と、デザイン性を重視した。
少しでも"万人受け"を視野に捉えると、こうした割り切りは不可能だ。ターゲットを女性に絞り込んだことによって実現した割り切りが、随所にみられている。
一方で、本体色には、エレガントホワイト、ラグジュアリーブラウン、フェミニンピンクの3色を用意したが、これは「女性は悩みたがる傾向が強い」という分析に基づく。そのため第1弾モデルからカラーバリエーションを提案した。
「本当は青系を加えた4色にしたかった」と鬼澤氏は笑うが、ここでも当然、女性が好むカラーだけを採用することにつながっている。梱包箱にもこだわり、専用のケースも用意している。
また、搭載するアプリケーションに関しても、Webブラウジング中に気になったアイテムやお店、レシピをかんたんにスクラップできる「SCRAPBOOK」や、FacebookやTwitterと連携し、自動で日記が完成する「DIARY」、3日間の運勢をチェックできる「12星座占い」を用意するなど、女性の利用シーンを想定した提案を行っている。
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