記者発表会後にはタッチ&トライコーナーが設けられ、実際に実機に触れる機会を得た。
実際に持ってみると、170グラムはかなり軽い。淡野社長が「Lideo」について「6インチ電子ペーパーで公衆無線回線に対応した電子書籍専用端末の中では世界最小・最軽量を実現した」と述べていたが、たしかにこの軽さはアドバンテージになるだろう。
物理ボタンは好みもあるだろうが、リモコン世代のシニア層を意識するならあった方が無難だろう。特にタブレットほどタッチ精度がよくない電子ペーパーにおいてはなおさらだ。
ボタンは「本棚」「書店」「メニュー」「戻る」「文字」の5つ。「文字」ではフォントの大きさを5段階から変更可能で、これが「メニュー」の下層ではなく物理ボタンに割り当てられているあたりに高齢者への配慮を感じた。
トータルで見ると、「Lideo」は現在リリースされている(あるいはリリースが予定されている)電子書籍専用端末の中では、淡野社長が言うようにもっともシニア層に適した端末だろうと思う。
ただし、課題もある。一つはWiMAXのエリアの狭さだ。Amazonのkindleが搭載している3G回線などに比べると、WiMAXは高速である代わりにつながるエリアがかなり限定される。たとえエリア内であっても、地下や屋内の奥まった場所ではつながらないことが多いのだ。この点が今後どう改善されていくかが、「Lideo」普及のカギを握るかもしれない。
……それにしても今回の記者発表会、電子書籍の冊数「約9万5千冊」にわざわざ「※楽譜含まず」と注釈がつけられていたり、初期設定の簡単さをこれでもかとアピールしたりと、かなり某kobo Touchの教訓を意識した点が多かったように思う(記者発表ではkoboの名前は出ていないので、くれぐれも誤解なきよう)。