実は「Lideo」には最初からUQコミュニケーションズが提供するWiMAXによる通信機能が内蔵されており、通信可能なエリアであれば下り最大40Mbpsの高速通信を行うことができるのだ。また、通信料はBookLiveが負担するため、ユーザーが通信料を支払うことはない。一方で「Lideo」は無線LAN機能も備えており、Wi-Fiを拾うこともできる。

登壇したUQコミュニケーションズ取締役執行役員副社長の片岡氏は、「WiMAXは現在人口カバー率93%を誇っており、通信データ量も制限がありません。3Gはエリアが全国規模ですが低速で通信制限があり、Wi-Fiは高速ですが利用場所は限られます」と、WiMAXの利便性に自信をのぞかせた。

UQコミュニケーションズの片岡浩一副社長

凸版印刷の大湊満専務(※BookLiveは凸版印刷のグループ会社)

また「Lideo」は、端末そのものにもシニアが馴染みやすいよう工夫されたポイントがあるという。それが、画面の下に配置された5つのボタンだ。電子書籍端末やタブレットはタッチパネルで操作するため、通常であればボタンの数は極力少なく作られている。しかし、タッチパネルに慣れていないシニア層にとっては、むしろ物理ボタンがある方が使いやすいことがほとんどだ。そこで「Lideo」は、あえて5つの物理ボタンをつけ、プッシュ一つで各機能にダイレクトにアクセスできるようしたのだという。

ことほどさようにシニア層を意識して製造された「Lideo」だが、最大の問題はそうした層にどうやって端末の存在をPRするのか、という点だ。

これについては、三省堂書店が全面的にバックアップしており、三省堂書店内で端末を販売する他、店頭検索機でBookLive!の電子コンテンツを同時に検索できるようにしたり、店頭で「電子書籍版あります」などのPRを行ったりするという。さらに店頭電子コンテンツ決済サービスも用意しており、店頭レジで電子コンテンツの決済を行えるサービスも順次開始していくと述べた。

三省堂書店の亀井忠雄社長

もちろん、「Lideo」で読めるコンテンツの充実にも力を入れていく。そもそもBookLive!は約9万5千冊という国内最大級の品ぞろえを誇る電子書籍サイトで、電子書籍端末としては後発でも、コンテンツの充実度にかけてはむしろ他社よりも先行している。そのアドバンテージを活かしながら、さらに多数の独占先行配信タイトルを用意したり、朝日新聞の書評を中心とした「朝日新聞デジタル for booklovers」(月額380円。2013年1月31日まで無料)を創刊したりと、精力的にコンテンツ拡充に努めていくとのことだ。