KDDIは17日、au携帯電話の冬モデルとして、スマートフォン9機種、タブレット1機種の10機種を発表した。11月2日には8機種を同時に発売し、800MHz帯の周波数帯を使ったLTEサービス「au 4G LTE」サービスも同日からスタートする。プレゼンテーションを行った田中孝司社長はこの4G LTEサービスについて他社との違いを説明するとともに、きめ細やかなauのLTEサービスについて熱弁をふるった。ここでは発表会の模様をLTEサービスに絞ってリポートする。
エリアの広がり
登壇した田中孝司社長は「au 4G LTE」サービスを開始するにあたり、「LTEサービスは世界中でスタートしているが、KDDIでは単に新しいネットワークサービスを始めるというようには思っていない。"本気"のネットワークか否かがテーマにある」としたうえで、auにとっては3つの"本気がある"と述べる。
3つの"本気"の1つ目が「エリアの広がり」で、スタート当初から、全国で下り最大75Mbpsの高速通信をサポート。実人口カバー率は来年3月の時点で96%が目標で、サービス開始直前の10月末の時点でも84%に達し、田中社長は「日本のどのキャリアよりもナンバー1の(エリアの)広がりを見せていきたい」と意気込む。
KDDIは、NTTドコモに対して1年以上LTEサービスの提供が遅れたが、KDDIは800MHz帯の周波数再編がこの7月に終わったことで、LTEへの準備をスタート。着々と準備を進め、多くの基地局を設置してきたという。この結果、11月2日に全国で一斉にサービスを開始することができるようになった。
通信スピードについても、他社のように一部エリアで下り最大75Mbpsとするのではなく、全国一律というのも優位点で、来年以降は、さらに5MHz幅を追加して下り最大112.5Mbpsに高速化する。これは既存の3Gの帯域を4Gに置き換えるため、まずは一部地域から開始する予定だ。
電波のつながり
3つの本気の2つ目は「電波のつながり」について。田中社長は、800MHz帯という周波数帯を使うため電波がつながりやすく、ソフトバンクの孫正義社長がいう「プラチナバンド」を引き合いに、「プラチナとは言いたくないが、英語ではゴールデンバンドと言っている、一番つながる電波でLTEネットワークを開始したい」と話す。
これまでKDDIは800MHz帯で3Gサービスを提供してきたため、基地局が共用できるほか、ノウハウもたまっており、こうした技術的背景も垂直立ち上げに貢献している。