3戦目は「YAHOO!JAPAN VS NHN Japan」。これも非常に面白い対決だ。YAHOO!JAPANといえば1997年に創業した老舗中の老舗。おそらく日本でもっとも名前の知られたIT企業であり、社会からの信頼性も抜群だ。社員いわく「社名でローンが組める」のが自慢だという。対するNHN Japanは、LINE、ハンゲーム、livedoor、NAVERといった4つの事業を軸に急成長を遂げているIT企業。特に「LINE」の勢いは凄まじく、現在は世界で6000万人のユーザーを抱えるまでになっている。

YAHOO!JAPANチームには女性メンバーも参加

昔から変わらない伝統企業と、海外資本の成長株の対決。IT業界における世代争いとも言える戦いとなった試合だが、結果は1-0で辛くもNHN Japanの勝利となった。フットサルの結果で何を占えるわけでもないが、この結果は何となく面白い。

楽天は社員いわく「とにかくスピード重視の社風」とのこと

4戦目は「楽天 VS GREE」だ。これもまた面白い。というのも、GREEの創業者である田中社長は、元楽天社員なのだ。ある意味、因縁の対決であるといえる。この試合を制したのは楽天。さすがはサイバーエージェントと並ぶ強豪と目されているだけのことはある。印象に残ったのは、GREEが途中からスペイン人の社員を投入したこと。海外進出を狙うGREEらしさが表れていたといえる。

非常にいい勝負となったサイバーエージェント VS Ustream

続いては、1回戦多く戦ったサイバーエージェントが、Ustreamと対戦。Ustreamは生放送サービスを行っている企業で、ニコニコ生放送よりもインフラとしての色が強いのが特徴だ(ただし最近はコンテンツにも力を入れている)。維持するのが難しい動画・生放送サービスでは数少ない成功企業の一つだが、フットサルにおいては堅実な守備を見せたものの残念ながらサイバーエージェントに力及ばず、1-0で惜しくも敗退となった。

ここまで、すべてのチームをひと通り見て感じたのは、どのチームも驚くほどフットサルがうまいということだ。それはつまり、ちゃんと練習できているということでもある。IT企業というと休む暇もなく働いているという印象を持つ方も多いと思うが、この大会に参加した企業は少なくともフットサルの練習ができるくらいの時間はとれているということだろうか。

優勝したのはサイバーエージェント。リア充強し

結局、最終的に優勝を飾ったのは下馬評通り、サイバーエージェントであった。決勝戦は「サイバーエージェント VS 楽天」という2強対決となり、途中からはもうIT企業の会社員の試合とは思えないほどに白熱。互角のままPKにもつれこむという激戦になった。

また、番組後半では、エキシビジョンマッチとして、事前アンケートで要望が多かった「ドワンゴ VS Ustream」「GREE VS DeNA」という2つの試合が行われた。やはりというか、みんなライバル企業同士の対決が見たいのだ。気持ちはよくわかる。

途中から解説席に座ったドワンゴ取締役夏野氏がGREEとDeNAの両社を煽りまくる

結果はそれぞれ、ドワンゴ、DeNAの勝利となった。さて、本業の方での対決はどうなるだろうか。フットサルよりもそちらの方が気になってしかたない。今回出場した9社は、浮き沈みの激しいIT企業で生き残ってきた、いわば"勝ち組"企業だ。10年後、いや5年後にもう一度IT企業を集めてフットサル大会を行ったとして、はたして何社が参加できるだろうか。……そんなIT業界の諸行無常ぶりに思いを馳せたフットサル大会であった。