そうした会場の変化を如実に反映させていたのがスクウェア・エニックスだ。『ファイナルファンタジー』に続き『ドラゴンクエストX』で二大タイトル双方をオンライン化させた同社は、今回試遊台を設置せず、ステージと大型スクリーンでの映像出展のみという割り切った出展内容。新規タイトル『ブレイブリーデフォルト』に関しても映像のみだが、こちらは試遊ではなく体験版をかなり早い段階から複数回配信し、その上でユーザーの声をリリース版へ反映させるスタイルを取っている。

『ドラクエX』の齊藤陽介プロデューサーは、アップデートやWii U版の魅力を連日アナウンス』

スクエニ期待の新規タイトル『ブレイブリーデフォルト』

海外で絶大な人気を誇るシリーズ最新作『コール オブ デューティ ブラックオプスII』

イベントの試遊で反応を見る形を取らず、βテスト、あるいは早い段階から体験版を配信して調整を行うトレンドが進めば、東京ゲームショウの醍醐味である試遊自体が下火になることも十分あり得る。また同社は『コールオブデューティ ブラックオプスII』の国内販売を手がけるほか『ヒットマン アブソリューション』『トゥームレイダー』『スリーピングドッグ 香港国際警察』といった海外市場向けの意欲作も多数擁しているが、こちらも試遊や特設ブースはなし。こうした割り切った作戦がどう結果に出るかは今後注目したい。

そのほかの主要メーカーに目を移すと、従来の人気シリーズとスマートフォン用タイトルの両面作戦を取るメーカーが目立った。具体的にはいち早く『ドラゴンコレクション』を成功させ、ソーシャルゲームの魅力をさらに押し出したいコナミ、今年7月にセガネットワークスを設立し、コアゲーマー向けのタイトルをスマートフォンで提供するべく本腰を入れてきたセガがそれにあたる。

『ドラゴンコレクション』をアーケード向けにアレンジした『ドラゴンコレクション シシトウ団の野望』(コナミ)

アトラスの看板作品『真・女神転生IV』の最新トレーラーも上映(セガ)

多彩なハードで楽しめる『ファンタシースターオンライン2』はいち早く開始したWindows版のほか、Android&iOS版、PS Vita版も控えている(セガ)

コンシューマー向けの新作は大作シリーズに絞り、これまでの中小規模のゲーム開発はソーシャルゲームで展開、という注力がどういったゲームとして仕上がってくるのかは今後に期待だ。またSCEもPS Vita、スマートフォン、タブレットでゲームを共有できる「PlayStation Mobile」のサービススタートを打ち出しており、どういったタイトルが登場してくるかは気になるところ。……続きを読む