大手メーカーの既製品ではつまらない。BTOメニューが用意されていてもベースマシンが普通では物足りない。もっと個性的なPCが欲しいんだ! というユーザーのために存在するようなメーカーがサイコムだ。BTOメニューが多彩で、好みや用途に合わせてスペックを細かくカスタマイズできる。CPUやメモリ容量など基本的なオプションももちろんだが、ケースにもユニークなものを取りそろえている。
今回レビューする「G-Master Cutlass」は、個性的なケースを採用したゲーミングPCだ。一見すると、昔流行した超コンパクトなキューブ型ケースを思い出すが、よく見るとだいぶ様子が違うことに気づく。
写真からではサイズが分かりづらいのだが、ケース寸法はW250×D359×高さ404mmと意外と大きい。フロントに設置してあるのが、フロッピードライブではなくDVDドライブであることから、横幅がかなり大きいことが分かるはずだ。
一般的なタワー型ケースと比べると、奥行きにはそれほど違いはないが、横幅が大きく、高さはかなり低くなっている。机の下など、足元に設置したい場合でも高さがそれほどないため、すんなりとおけるサイズだろう。
ケースのフロントとリアには、上下にハンドル状のパーツが取り付けられている。PCを持ち運ぶ際に利用できるが、このハンドル状の部分が比較的やわらかな素材でできているため、設置した状態で横方向から力が加わるとケースごとゆれる。グラグラするというよりは、このループ部分がたわんでユラユラする感じだ。うかつに蹴飛ばしたりしないような場所や机の足や壁など支えるものがある場所に設置したい。
このケースのユニークなところは、吸排気のため開口部が多く設けられているところだ。電源ボタンやインタフェースが配置された本体右側面以外の天面、底面、フロント、リア、左側面にメッシュ加工された部分があり、フロントは全面、左側面にも大きくメッシュ部がある。
天面のメッシュ部分は取り外しが可能で、外すと排気用のファンが設置されている。ケース底面にもストレージ冷却用の吸気ファンが取り付けられている。
開口部が多すぎると内部に入るほこりが気になるが、ぬかりなく対策されている。天面と底面はメッシュ状のパーツを取り外すことができる。特に底面のメッシュは目が細かく。フィルタ代わりとなっているため、床まわりのほこりが付着した場合でもこれをはずして掃除すれば問題なさそうだ。
左側面のメッシュは目が粗いが、ここにもマグネットで貼り付けられるフィルタがある。実はこのフィルタは、ケースメーカーである「Bitfenix」の標準付属品ではなく、サイコムが独自で追加したパーツとなっている。ほこりが入ってきそうな唯一の「穴」もきっちりふさげるようにしてくれているのが好印象だ。
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