冒頭にも書いた通り、撮像素子には有効4,600万画素(4,800×3,200×3層)の「Foveon X3 ダイレクトイメージセンサー(CMOS)」を搭載する。撮像素子のサイズは23.5×15.7mmで、アスペクト比は3:2。2012年3月に発売されたデジタル一眼レフ機「SD1 Merrill」に搭載されたセンサーと同等のものだ。

画質は、光の3原色であるRGBを3層構造でまとめて取り込む独自のセンサー構造によって、シャープネスが高く立体的な描写を実現している。被写体の質感をリアルに再現可能だ。感度は、JPEGでは最低ISO100から最高ISO6400までに対応。高感度にはあまり強くなく、実用的なのはISO400くらいまでで、それ以上ではややノイズが目立つ。

トータルとしては、バッテリー持久力やAFスピードといった基本部分に不満はあるものの、低感度画質の美しさは気に入った。以下に掲載した作例はJPEGのみだが、RAW記録して、さらに高画質を引き出す楽しみもある。写真撮影を趣味にしている人に、手軽に持ち運べるコンパクト機としてお勧めしたいカメラだ。

撮影モード:絞り優先AE(F5 1/1600秒) / 露出補正:-0.3 / 感度:ISO100 / WB:オート / カラーモード:スタンダード / 焦点距離:30mm

撮影モード:絞り優先AE(F5.6 1/640秒) / 露出補正:+0.3 / 感度:ISO100 / WB:オート / カラーモード:スタンダード / 焦点距離:30mm

撮影モード:プログラムAE(F2.8 1/30秒) / 露出補正:+0.3 / 感度:ISO100 / WB:晴れ / カラーモード:スタンダード / 焦点距離:30mm

撮影モード:プログラムAE(F7.1 1/400秒) / 露出補正:-0.3 / 感度:ISO100 / WB:晴れ / カラーモード:スタンダード / 焦点距離:30mm

撮影モード:絞り優先AE(F8 1/60秒) / 露出補正:±0 / 感度:ISO100 / WB:晴れ / カラーモード:スタンダード / 焦点距離:30mm

撮影モード:絞り優先AE(F8 1/2000秒) / 露出補正:±0 / 感度:ISO200 / WB:蛍光灯 / カラーモード:スタンダード / 焦点距離:30mm

撮影モード:絞り優先AE(F2.8 1/60秒) / 露出補正:-0.3 / 感度:ISO100 / WB:白熱電球 / カラーモード:スタンダード / 焦点距離:30mm

撮影モード:絞り優先AE(F4.5 1/320秒) / 露出補正:-0.3 / 感度:ISO200 / WB:日陰 / カラーモード:スタンダード / 焦点距離:30mm

上段左から順にISO100/200/400、中段左からISO800/1600/3200、下段はISO6400で撮影。撮影モード:絞り優先AE(F8) / 露出補正:±0 / WB:オート / カラーモード:スタンダード / 焦点距離:30mm