渋谷駅・渋谷地下街

最後に、渋谷駅の地下にある渋谷地下街で計測を行った。URoad-SS10の下り平均速度は5.9Mbps、上り平均速度は5.7Mbpsだった。また、AtermWM3600Rの下り平均速度は5.7Mbps、上り平均速度は5.1Mbpsとなった。

XiのBF-01Dは、通信ができず測定不能だった。SoftBank 4Gの101SIは、5つの計測地点のうち唯一計測を行うことができたが、下り平均速度は1.9Mbps、上り平均速度は0.1Mbpsだった。

渋谷駅の地下にある渋谷地下街(しぶちか)で計測

AtermWM3600Rの計測結果。URoad-SS10とAtermWM3600Rは、ほぼ同程度の速度だった

以上の都内5カ所でのWiMAXの計測結果を表にまとめてみた。

都内5カ所の地下エリアにおけるWiMAXの計測結果 (拡大画像はこちら)

今回、駅の地下施設として計測を行ったJR東京駅地下構内では、URoad-SS10で下り平均速度が8.0Mbpsという10Mbps程度に迫る快適な速度を計測できた。また、地下ショッピングモールである八重洲地下街では、URoad-SS10が下り平均6.3Mbps、AtermWM3600Rが下り平均3.9Mbps、同じく地下ショッピングモールの渋谷地下街では、URoad-SS10が下り平均5.9Mbps、AtermWM3600Rが下り平均5.7Mbpsとなり、駅からのアクセスが便利な地下ショッピングモールでもWiMAXを十分に利用できることがわかった。

また、地下ホームで計測を行った都営三田線・三田駅では、URoad-SS10が下り5.8Mbps、AtermWM3600Rが下り平均5.2Mbpsとなったほか、東京モノレール・天空橋駅でもURoad-SS10が下り平均6.5Mbps、AtermWM3600Rが下り平均5.3Mbpsとなり、地下ホームでの電車の待ち時間などにも、WiMAXルーターがあればインターネットを便利に利用できると言える。

なお、いずれの計測場所でも、ポータルサイトやTwitterなどのブラウジングが快適にできたのはもちろん、YouTubeの動画も途切れることなく視聴することができた。

また、XiのBF-01Dは、5カ所中4カ所で計測を行うことができたが、下り平均速度で最も速かったのが東京駅地下構内の4.6Mbpsであり、他は2~3Mbps程度とあまり振るわず、上り平均速度も全体的に低速だった。SoftBank 4Gの101SIは、5カ所中4カ所は通信不可か通信できたものの不安定で計測を終えられず、測定不能だった。唯一、計測できた渋谷地下街でも、期待ほどの速度は出なかった。

比較参考として計測したXi、SoftBank 4GのモバイルWi-Fiルーターを含めた順位で言えば、URoad-SS10は下り平均速度において、5カ所すべてで首位となった。また、AtermWM3600Rは、下り平均速度において5カ所中4カ所で2位と健闘したほか、上り平均速度では3カ所で首位となった。WiMAXの地下エリアへの対応が他社と比べてもかなり進んでいることが伺える。

WiMAXの特長のおさらい

最後にWiMAXの特長をもう一度確認しておこう。WiMAXは下り最大40Mbps、上り最大15.4Mbpsの高速通信サービスだ。全国の人口カバー率が90%超、全国主要都市の人口カバー率が99%(2012年6月末時点)という利用エリアの広さが最大の魅力だ。

また、データ通信量の制限なく使い放題で利用できるのもWiMAXの特長。データ通信量の制限があると、動画などの大容量ファイルをダウンロードするのがためらわれるため、自宅の固定回線代わりに利用するのは難しいだろう。しかし、WiMAXであればデータ通信量の制限がないため、大容量ファイルも気軽に扱える。

自宅用として利用するための据え置き型のWiMAXホームルーターもラインナップされており、固定回線代わりとしても利用することも可能だ。固定回線代わりにWiMAXを使い、さらに出先などでスマートフォンなどのパケット通信を抑えてWiMAXを活用すれば、家計の節約になるといったメリットも出てくるはずだ。

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今回は都内5カ所の地下エリアでWiMAXが使えるかチェックしてみた。実際に試してみると確かにWiMAXの地下エリアへの対応が進んでいることを確認できた。理論上の最高速度で考えると、下り最大75Mbps、上り最大25Mbpsを実現するNTTドコモの「Xi」などWiMAXより高速なサービスはある。しかし、実際に高速通信を利用できるエリアやデータ通信量の制限の有無などを考えると、現状ではWiMAXが優位だと筆者は感じた。