WiMAXの地下対応をチェックするために、モバイルWi-Fiルーターを用いて都内5カ所で計測を行った

通信各社が提供している高速モバイルデータ通信サービスに注目が集まっている。かつては、外出先でのいざというときの通信手段といったイメージが強かったモバイルデータ通信だが、現在では高速化が進み、エリアによっては固定回線と比べても遜色ない程度の通信速度が利用可能となっている。

高速モバイルデータ通信サービスを選択する際にポイントとなるのが、料金、通信速度に加えて、利用エリアの広さだ。さまざまな外出先で使うこととなる高速モバイルデータ通信が、エリア外となって利用できないのは困るし、エリア内でも高速通信が利用できるのは一部のエリアのみというサービスもあり、選択時には注意が必要だ。

そんな中、エリアの拡大により利便性の向上に取り組んでいるのが、UQコミュニケーションズが提供する「UQ WiMAX(以下、WiMAX)」だ。WiMAXの特長は、何より利用エリアの広さであり、2012年6月末時点で、全国の人口カバー率は90%超。さらに、東京23区と政令指定都市、47都道府県の県庁所在地という全国主要都市では、WiMAXの人口カバー率は99%以上となっている。また、WiMAXは地下エリアへの対応も進められており、WiMAXが利用できる地下鉄の駅や地下街も増えている。

そこで本稿では、WiMAXの地下エリアでの対応をチェックするために、WiMAX対応のモバイルWi-Fiルーター2機種を用いて、都内5カ所の地下街、地下鉄駅などで実際に速度計測を行ってみた。また、比較参考として、筆者が所有するNTTドコモ「Xi」とソフトバンクモバイル「SoftBank 4G」のモバイルWi-Fiルーターでもそれぞれ速度計測を行ったので、その結果もあわせて紹介しよう。

通信速度計測の概要

今回、都内5カ所での速度計測を行ったWiMAX対応Wi-Fiルーターは、「URoad-SS10」(シンセイコーポレーション製)、「AtermWM3600R」(NECアクセステクニカ製)の2機種。前述のとおり、Xi対応Wi-Fiルーター「BF-01D」とSoftBank 4G対応Wi-Fiルーター「101SI」でも速度計測を行っている。

計測を行ったWiMAX対応Wi-Fiルーターの「URoad-SS10」(左)と、「AtermWM3600R」(右)

計測を行った地点は、JR東京駅、八重洲地下街、都営三田線 三田駅、東京モノレール 天空橋駅、渋谷地下街という地下エリアの5カ所。各地点で3回の計測を行い、上り速度と下り速度の平均速度を記録した。

URoad-SS10とAtermWM3600Rと参考として一緒に計測したXi対応Wi-Fiルーターの「BF-01D」(左から3番目)、ソフトバンクのSoftBank 4G対応Wi-Fiルーター「101SI」(左から4番目)を並べてみた

通信速度の計測方法には、Webサイト「価格.com」のブロードバンドスピードテスト(URL:http://kakaku.com/bb/speed.asp )を用いた。なお、計測に用いたマシンは「MacBook Air」の13インチモデルで、使用したWebブラウザは「Google Chrome」である。

地下エリアでの速度計測の結果

都内5カ所での速度計測の結果をまとめたので、ご一読いただきたい。

1. JR東京駅地下構内

JR東京駅の改札内にある地下の待ち合わせ場所「銀の鈴」付近で計測を行ったところ、URoad-SS10の下り平均速度は8.0Mbps、上り平均速度は4.9Mbpsだった。また、AtermWM3600Rの下り平均速度は4.3Mbps、上り平均速度は5.9Mbpsとなった。

また、比較参考で計測したXiのBF-01Dは、下り平均速度4.6Mbps、上り平均速度1.5Mbpsとなった。SoftBank 4Gの101SIは、電波強度表示が1本も立たず、計測不能だった。結果として、URoad-SS10が下り速度のトップ、AtermWM3600Rが上り速度のトップとなった。

JR東京駅地下構内で通信速度を計測した

下り速度が最大となったURoad-SS10の計測結果