TrackerBlockアドオンでトラッキング(追跡)を防ぐ
以前Firefox 12を紹介した際に、追跡を可視化するアドオンCollusionを紹介した。いかに多くの追跡が行われているかわかる。しかし、残念ながらCollusionアドオンには、追跡を防ぐ手立てはない。そこで、紹介したいのは、TrackerBlockアドオンである。Webにおける追跡といってもさまざまなものがある。それらも紹介しつつ、アドオンの概要を解説する。まずは、インストールから始めよう。アドオンマネージャの検索ボックスに「TrackerBlock」と入力する。この例では、一番上にみつかった(図13)。
あとは、[インストール]をクリックして、インストールを行う。特に、難しいことはないであろう。再起動すると、インストールが完了したことと、TrackerBlockの開発元が提供する別のアドオンprivacyscoreのインストールが紹介される。このアドオンも実にユニークなものなので、後で簡単に紹介したいと思う。[privacyscore for Firefox]をクリックして、インストールをしておく(図14)。
途中、インストールの確認などがでるが、問題ないのでそのままインストールを続行する。こちらも再起動で有効になる。さて、TrackerBlockに戻ろう。まずは、設定を行う必要がある。ロケーションバーの左側にTrackerBlockのボタンが追加されている(目のようなデザインのアイコンである)。このボタンをクリックする。
まずは[Do Not Track]タブで、全体的な設定を行う。「Do Not Track me across website」(追跡を拒否)と「Clear Flash objects from trackers on blowser close(slower)」(追跡者のFlashオブジェクトをブラウザ終了時に削除)にはチェックを入れる。中央の「Send tracker data to PrivacyChice」(追跡者の情報を開発元に送る)は、好みで設定すればよいであろう。
次いで、[Opt-Out]タブである。ここでは、クッキーの受け入れを拒否するサイトを設定する。この一覧は、開発元で作成されている。ユーザー側で追加することはできない。ここでは「All」を選んでおこう(図16)。
3番目は、[Tracker Blocking]タブである。ここでは、まさに追跡者のブロックである。インターネットでは、個人の追跡を行いトラッキング業者などもある。この一覧も開発元で作成されている。こちらも「All」を選択しておこう(図17)。
最後は、[HTML5 Strage]タブである。そのまえに、HTML5 Storageについて解説しておこう。一言でいってしまえば、HTML5でクッキーに代わるデータ保存の方法である。Web Storageとも呼ばれる。クッキーとの違いは、
- 容量は5MB(クッキーは4KB)
- 有効期限はなし(クッキーはあり)
- データを利用するときのみ送信(自動ですべてを送信)
である。最後の点は、クッキーのようにすべてのリクエストに対してデータを自動で送信しないので、安全性が高まったといえる。しかし、基本的な機能は同じであり、追跡の対象となる点は変わらないであろう。これらについても、クッキー同様の対応が必要となる。[HTML5 Strage]タブを選ぶと、保存されているHTML5 Strageが表示される(環境によって、表示は異なる可能性がある)。
この中で不要なものを削除していけばよい。筆者の環境では、著名なサイトのものが多かった。これらは残して、閲覧した記憶のないサイトのHTML5 Strageを削除していけばよいであろう。以上で、設定は完了である。これで、設定した追跡者などからの追跡をブロックできる。最後にprivacyscoreについて、簡単に紹介したい。TrackerBlockと同時にインストールすると、図19のようになる。
その名前の通り、そのサイトがどのくらいプライバシーを保護しているかを数値で評価したものである。著名なサイトのスコアが上に表示されている。ここのサイトでは、ロケーションバーの左側に数字が表示される(図20)。
数字をクリックすると、もう少し詳しい表示が行われる。スコアは、100点が最高であり、現時点で評価されているサイトの平均は71点なっている。
実際に、このサイトでは85点となっているのであるが、[click to see special considerrations]をクリックすると、より詳細な評価結果が表示される(図22)。
オレンジ色が減点となったもので、閲覧終了後にも個人データが保存される点とデータリクエストがあっても通知されない点が指摘されている。筆者の調べた範囲であるが、残念ながら国内の多くのサイトが未評価であった。このような評価の普及も、興味深い。今後に動向に注目したい。