――カップリングの「夢×現」もアッパー系の曲ですね
凛「こちらもちょっとハデな感じになっていますね。『情熱イズム』よりもさらに自由にやらせていただいています。『夢×現』はタイアップもなく、何の縛りもなかったので、ちょっと面白い詞をつけてみようかなと」
――面白い詞ですか?
凛「ちょっと言葉遊び的な要素を取り込んでます。タイトル自体も、『ゆめうつつ』と書いて『むげん』と読ませていますが、詞の中身もかなり凝った作りをしています。読んでいただければわかると思いますが、冒頭の『荒ぶる吐息』も、荒ぶっているのか吐息なのか、どっちなんだって感じですよね(笑)。夢なのか現なのか、騙しているのか騙されているのか、男目線なのか女目線なのか、踊っているのか踊らされているのか……その世界のすべてがわからないような感じになっています。曲を聴いたあと、『一体これは何だったんだろう……でも何かカッコよかった』、そんな印象が残ればいいなって」
――英語の部分も面白い感じですよね
凛「"In the Night"と書いて、"いいんじゃない"って歌ってみたりしています(笑)。『情熱イズム』はとにかくストレートな詞になっているので、『夢×現』では言葉遊びやギミックをふんだんに取り入れることで、聴いてくださった方にいろいろな解釈をしていただきたいなって思いがあります。はたしてどのように受け取っていただけるのか、そのあたりを私自身も感じ取ってみたいと思います」
――ちなみに詞を書くのにはどれぐらいの時間をかけますか?
凛「『夢×現』の場合は1日もかかっていないです。数時間ぐらいで書き上げています」
――「情熱イズム」は?
凛「『情熱イズム』も1日ぐらいですね。基本的に詞を書くときは、集中して一気に書き上げてしまうタイプなんですよ」
島崎氏「本当に丸一日、まさに寝食も忘れて、詞に没頭し、出来上がったらバッタリ……みたいな感じです。それでできあがった詞に対して、僕がジャッジして、リクエストを出して、それをまた直してもらう、みたいな感じです」
凛「『夢×現』は、本当に思うままに書いたので、島崎さんにも最初は"提案"という形でお見せしました。これでダメだったら、一部を残して、書き直すのではなく、全部を白紙に戻して、最初からやり直すぐらいのつもりで、ちょっと挑んでみた感じがあります。そうしたら、面白いねっていうことで、方向性が決まった感じです」
――こういった言葉遊びは好きですか?
凛「好きなほうだとは思うんですけど、カップリングで言葉遊びをしようと思ったきっかけは、実は『情熱イズム』にあって……『情熱イズム』を逆から読んでみてください」
――ムズイ熱情?
凛「『熱を持って何かをやるというのは難しいよね』っていう意味も込めて、つけたタイトルなんですよ、実は。これ自体は、気付いた人だけがニヤッとしてくれたらいいや、ぐらいの気持ちだったんですけど、だったら、言葉遊びという点で、カップリングと面白い世界観の連動が出来たら良いなと思い、もうちょっとわかりやすい言葉遊び、ギミックを盛り込んだのが『夢×現』になっています」
――曲のタイトルはご自分で決めるのですか?
凛「まずは自分で考えて、最終的に島崎さんと2人で話し合って決める感じですね。たくさん候補を出して、どれがいいだろうって」
――曲のタイトルを考えるのは、詞を書く前ですか? それとも書き終わった後ですか?
凛「私の場合は最後です。詞を書いた後に、その世界観をまとめてどのように表現しよう、みたいな感じでタイトルを考えます」
――「情熱イズム」ももちろんですが、「夢×現」もライブで盛り上がりそうな曲ですね
凛「ガッツリと歌える歌なので、聴いてくださる方の反応が楽しみです。ただ、実は私、人前で歌うのがあまり得意ではないんですよ……。ステージに出てしまえばこっちのもの、ではないんですけど、ある意味開き直って歌えるのですが、ステージに上がるまでは本当にウジウジしていて……。本当に真っ青になって、部屋の隅のほうで、黙って座り込んでいたり……」
――それは緊張なのですか?
凛「たぶん、緊張だと思います。本当にいろいろなことを考えすぎちゃうんですよ。でもステージに出て、お客さんを前にすると、"よっしゃ、やるぞ!" みたいな感じで、テンションが一気に上がります。ステージはもちろん全力なので、終わった後はもう何も覚えていない……そんな感じになります」
――真っ白になって燃え尽きる……みたいな感じですか?
凛「面白かったとか、熱かったとか、お客さんの表情などは、何となく、感覚として残っているんですけど、細かい出来事はすべてきれいに忘れてしまっています」
島崎氏「相当な数のライブに出ているんですけど、いつまでたっても凛は慣れないんですよ。毎回同じ感じで、慣れるということがない。ステージ上では本当に別人のようにガッツリと歌うのですが、MCになるとふにゃふにゃしちゃって……。それを見て、お客さんが笑う、みたいな(笑)」