――ちなみに、凛さんは詞を書くとき、メロディにあわせて歌いながら書いたりするのでしょうか?

「私はまったく歌わないです。このあたりは人によって違うと思うんですけど、私の場合は、口には出さず、すべて頭の中だけで完結させるタイプです」

――頭の中で作り上げたものを声に出して歌ってみたとき、印象が変わることってありますか?

「まったく変わりません。頭で思い描いたイメージそのままという感じです」

――イメージをそのまま出せるというのはすごいですね

「イメージとズレることはほとんどないですね。レコーディング自体も、今回の場合は3回歌って終わりでした」

――普通のレコーディングはもう少しかかりますよね?

島崎貴光氏「普通よりも全然速いです。いろいろなアーティストさんの仮歌やコーラスをやったりもしているんですけど、それもだいたい30分ぐらいで終わってしまうので、ディレクターさんがまずビックリなさいます。しかも、レコーディングは普通、パートごとに分けてバラバラに録るんですけど、凛の場合は最初から最後まで通して歌うんですよ」

――通しで3回歌って終わりですか?

島崎氏「ちょっとおかしいところがあると、そこだけやり直すということもありますが、だいたいは3回ぐらいで、5回も録ることはほとんどないです」

「声出しをかねて5回録るということはあります(笑)」

――最近のレコーディングはだいたいパートごとに分けて録りますよね?

「そういうレコーディング方法は、私の場合は合わなくてダメなんですよ」

島崎氏「パートに分けて録ると感情の込め方や歌の勢いがちょっとおかしくなるんですよ。最初から歌って、サビに向けて盛り上がっていく。そういった流れを自分で作っているんだと思います」

「一曲通して歌わないと、高揚感が出てこないんですよ。とにかく私のレコーディングは速いみたいで、マイクの真空管が温まるのを待っている時間のほうが長かったり(笑)」

――イメージしたものをそのまま再現できるというのはすばらしい才能ですよね

「ありがとうございます。そう言っていただけるとうれしいのですが、ほかのことがあまり出来ないので(笑)」

――ちなみに、今回の「情熱イズム」を歌うときに、工夫しているところや気をつけているところはありますか?

「特にないです(笑)」

――(笑)

「ただ、やはり頭から『全力がカッコイイ』と言っている以上、聴いてくださった方がカッコ悪いなって思われるような歌い方だけはしたくなかった。そうやって自分の中で勝手にハードルをあげちゃったのですが、とにかく聴いた方が、『カッコいいな、勢いがあるな』って思っていただけるように意識して歌っています」

――「情熱イズム」はとにかく最初から全力ですよね

「その一回に全力を込めて集中して歌っているので、とにかく疲れます(笑)。だからこそだと思いますが、歌った後はすごく気持ち良いです」

――詞の中で注目してほしいポイントはやはり「全力がカッコイイ」ですか?

「サビ頭でもあるので、聴いてくださる方にとっては一番印象深いワードになると思います。ただ、凛の世界という意味では、2コーラス目からが本番です。1コーラス目でも自分なりの色を出しているつもりですが、やはり『ヴァンガード』のエンディングであるということを強く意識した詞になっているので、2コーラス目のほうが凛色が強く出ていると思います」

(次ページへ続く)