シニアにも安心してスマートフォンを
さらにシニア向けの「らくらくホン」シリーズでも初めてスマートフォンを投入する。らくらくホンは、累計2,000万台以上の販売で、現在でも「1,000万契約にちょっと届かない程度」の利用者がいるというヒット商品だが、現在は60歳以上のシニア層でもスマートフォンへの注目が高くなっているという。
山田社長は、販売店でもシニアはまずスマートフォンをチェックし、「使い勝手が悪い、利用料金が高い」という2点でフィーチャーフォンを選択している、と指摘。これを解消するために、スマートフォンのタッチパネルでもシニア層が使いやすいUIを採用した。
「らくらくスマートフォン F-12D」は、大きなアイコンが並ぶ縦スクロールのホーム画面で、画面遷移を行わずにすべての機能にアクセスできるようにした。おなじみのワンタッチボタンも搭載し、登録した3件の電話帳に1ボタンでアクセスできるようにしている。
タッチパネルでは、ボタンにタッチすると選択状態になり、そこからさらに押し込むと決定するインタフェースを採用。タッチした後に指を押し込むという操作を加えることで間違って画面にタッチしても誤操作しにくくした。
通話音質を改善する「はっきりボイス」「ゆっくりボイス」といった機能は従来通り搭載。ドコモのネットワークサービス「しゃべってコンシェル」もサポートし、音声での操作にも対応したことで、IT機器に不慣れな方やシニアでも簡単に利用できる端末を目指した。アプリの追加や各種のカスタマイズは非対応で、「あえてGoogleアカウントにも非対応にした」(山田社長)ことで、Googleサービスは利用できないものの、スマートフォンでよく使われる機能は搭載した。
例えば地図アプリではシニアでも使いやすいような新しいUIを投入するなど、工夫を凝らした。らくらくホンシリーズでは、代を重ねるごとにユーザーニーズを吸収してブラッシュアップを続けてきたが、スマートフォンでも今後ユーザーの声を聴きながら改良していきたい考えだ。
料金プランの不安に対しては、らくらくスマートフォン専用プランとして「らくらくパケ・ホーダイ」プランを新設。毎月のパケット通信量が500MBまで月額2,980円の定額制で、それ以降は128kbpsと遅くなるが、通常の「パケ・ホーダイ フラット」の5,400円に対して低額なプランを用意した。
これまでも、スマートフォンを使っているシニア層はおり、そうしたユーザーの調査では、パケット通信量は「平均200MBぐらいで、500MBあればほとんどの人が収まるのではないか」という。山田社長はらくらくスマートフォンの投入で、1,000万近い既存らくらくホンユーザーの移行を促していきたい考え。らくらくホンユーザーのパケット利用はまだ小さいため、らくらくパケ・ホーダイを用意しても、結果としてパケットARPUは向上すると見込んでいる。
(記事提供: AndroWire編集部)