消費電力
テストの最後は消費電力の測定。IdleはOS起動後10分の最小値、Loadは3DMark Vantage GT1~GT2実行時の最大値だ。いつものようにシステム単位の消費電力を測定している。
もともとHD 7970がハイエンドGPUとしては段違いの省電力性能を実現しており、ついでGeForceもKeplerのGTX 680でようやくRadeonと勝負できる省電力を達成してきたわけだが、GTX 670ではさらに電力が下がった。いわゆる性能/電力比で言えば、GTX 670は"抜群"と言える。Kepler以前のNVIDIAの高性能GPUのイメージは、絶対性能は確かに高いが、トレードオフとして消費電力も飛びぬけて高いというものだったが、Kepler世代でこのイメージも改めなければならないだろう。
GTX 680との性能差は少なく、電力性能は優秀、コストメリットも大
さて、もう最初に言ってしまうが、GeForce GTX 670はかなり死角が無い。つっこみどころと言えば、米国価格399ドルというのが、なぜ日本国内の販売価格で3万円台にならないのかということ程度だろう。ただ、その実勢価格にしても、現時点の状況で見てみるとGTX 680と比べれば1万5千円は安いし、HD 7970と比べてもおよそ1万円は安い。
一方で、性能はどうなのかと言えば、3DMarkのスコアを競うというのが目的なのであれば明確な差こそあるが、ゲームプレイという本来の目的から言えば、GTX 680とGTX 670には価格差ほどの差は無い。さらに消費電力なども考慮すれば、GTX 670が抜群に優秀だ。総合して、Radeon勢は何かしら手を打つ必要があるのではないかと思えるほど競争力のあるGPUが登場してきたと言えるだろう。
さらにくわえて、ダイ自体はGTX 680と同等だからなのだろうか、GTX 670に関してはオーバークロックモデルを用意しているカードベンダーが多い。NVIDIAやカードメーカー関係者の話をいくつか聞いてみても、GTX 670のオーバークロックのマージンの大きさは、まぁ当たり外れはあるにせよ、大きいことは間違いないようだ。