消費電力

テストの最後は消費電力の測定。IdleはOS起動後10分の最小値、Loadは3DMark Vantage GT1~GT2実行時の最大値だ。いつものようにシステム単位の消費電力を測定しているが、KeplerからはGeForceのアイドル時電力がRadeon相当まで下がっているため、今までよりは実力が観やすいグラフとなっている。GTX 690は、消費電力に関してはGTX 680×2枚分よりは省電力で、絶対値を許容できるかどうかは別として、パフォーマンス/ワットではそれなりに優秀であることがあわかる。

実勢価格がGTX 680×2枚分なら"アリ"

さてGeForce GTX 690。性能に関しては、短いテスト期間の都合で、これ以上の環境が用意できず、GTX 680比で明確に"2倍"の性能が確認できるわかりやすい状況は少なかったが、その怪物ぶりの片鱗は見ることができた。各テストでGTX 690の性能の"オーバーキル"気味な傾向となってしまっているので、とりあえず、最強のグラフィックスカードであることは間違いない。

液晶ディスプレイを3枚用意したマルチディスプレイ環境で、しかもステレオ3Dで、最新の高負荷3Dゲームを遊ぶ、といったエンスーな用途であれば、選択肢はGTX 690一択となるのだろう。ここまでの性能であれば、将来登場してくるゲームへの対応度でも、さらにGTX 690を追加してSLIまで出来るということも含め、GTX 690がダントツと見られる。現世代で一番速いカードが欲しいのであれば、迷う理由はない。消費電力がGTX 680×2枚分では無いこともアドバンテージだ。

さらにGTX 690を追加して、SLI構成も出来ちゃうわけだが、これが活かせるゲーム環境はもう夢の世界だろう

ただ、最強カードは欲しいが、ちょっとだけコストパフォーマンスを気にする、といった向きには、少しだけ微妙な事情もある。それは価格で、「499ドルのGTX 680×2枚分で、999ドルのGTX 690ならお徳なのでは?」と思われるかもしれないが、どうやらGTX 690の国内販売スタート時の価格は、999ドルのイメージからは少し離れたものになるようで、どうも、12万円程度の実勢価格になるのでは、という話が聞こえてきている。とは言え、GTX 680も未だ6万円程度で販売されているので、国内販売価格の枠内では整合性が取れているとも思えるのだが……。ご祝儀価格期間を抜け、実勢価格がこなれたあたりで各カードが"おいくら万円"になるのかによっては、評価も多少変わってくるだろう。