auスマートパスは、444万増の500万契約まで拡大を目指し、現在のアプリ取り放題だけでなく、音楽やビデオなどのコンテンツなど魅力的なサービスを継続展開するほか、スマートフォンだけでなくPCやテレビ、タブレット端末でも利用できるマルチデバイス展開も図る。

スマートパスはコンテンツを拡充し、マルチデバイス展開を強化

こうした取り組みに加え、これまで音声とデータによるARPU(ユーザー一人当たりの平均収入)に、スマートパスのようなサービスによる「付加価値ARPU」を追加する。今期は音声とデータの「通信ARPU」は前期比370円減の4,160円を見込むが、これに付加価値ARPU280円を追加した4,440円を総合ARPUとして指標にする。なお、通信ARPUは漸減が続くが、今期末で「底打ち反転を目指す」考えで、付加価値ARPUを除いても上昇に転じたい考えだ。

スマートフォンシフトはさらに進め、販売台数は通期800万台を目指す。携帯全体の販売台数は1,180万台を見込み、スマートフォン比率は約7割に達する。固定網では、auひかりとグループ内のFTTHを合わせてほぼ倍増となる63万の純増を目指す。

マルチネットワークの構築は、無線LANスポットの拡充や3Gの高速化、WiMAXのエリア拡大などを続けてきている。スマートフォンのデータトラフィックを無線LAN・WiMAXにオフロードした比率は現在20%だが、これを今期末には50%まで拡大させる計画で、ユーザーがスムーズに高速回線を利用できるようにする。携帯網からのオフロードを強化することで、設備投資費は年間4,500億円の水準に抑制したい考えだ。

新たに「付加価値ARPU」を追加し、全体で収益強化を図る

マルチネットワークの展開をさらに進め、データオフロードを上昇、特に携帯の設備投資を抑制する

次世代の高速通信規格であるLTEも、今年中にスタートさせ、800MHz・1.5GHz帯だけでなく、現在EV-DOサービスで使っている2GHz帯も利用してサービスを提供する考え。すでに他社からLTEサービスが提供されているが、田中社長は「800MHz帯でLTEを開始したいという強い思い」があったと語り、「(800MHz帯による)より高品質のLTEを一気に全国展開したい」考えだ。13年3月末には人口カバー率96%まで一気に拡大する考えで、800億円規模の設備投資を行う。

LTEは一気に実人口カバー率を96%まで上げる

これまでKDDIでは、LTEのサービス開始時期を12月としていたが、これは前倒しする予定で、「基地局の整備は順調で、端末の準備も前倒しで進んでいる」という。明確な時期は明らかにしていないが、秋口 までにはサービスインする。

3M戦略は、スマートバリュー、スマートパスなどの「スマートパスポート構想」が第1弾となり、今夏以降は、マルチデバイス・マルチユースを拡大するステップ2になり、LTEをスタートする秋口にからはステップ3を開始するというロードマップで、さらに推進していく意向だ。

3M戦略のロードマップ

WiMAXサービスを提供するUQコミニュケーションズは、今期にも単年度黒字化の目標を達成できる見込み

(記事提供: AndroWire編集部)