保護除外フォルダー機能と再起動後の保護継続機能

もう一つの新機能が、前述の保護除外フォルダーの選択だ。例えばホストドライブにはInternet Explorerの一時フォルダーなど保護対象に加えるまでもない箇所がいくつか存在する。また、ドキュメントフォルダーのように常にファイルの更新が行われるような箇所も保護対象から除外した方が効率的だろう。このようなケースに用いるのが本機能である。設定自体は簡単で、項目名と除外対象となるフォルダーを指定するだけだ(図11~15)。

図11 除外フォルダーの設定は、詳細設定ダイアログの「除外フォルダーの設定」から行う。初期状態では、デスクトップやドキュメントフォルダーが用意されている

図12 設定はドライブ保護を解除した状態で行う。同機能を使用するには「保護ドライブへの全ての書き込みを一時ファイルに書き込む」を有効にしなければならない

図13 新たな除外フォルダーを追加するには、最初に項目名を作成する

図14 続いて対象となる除外フォルダーを選択する

図15 作成した項目名にチェックを入れれば、除外フォルダーの設定完了となる

注意しなければならないのが、除外フォルダーと保護フォルダー(保護対象ドライブ内の別フォルダー)間のファイル移動である。ドライブ保護中に除外フォルダー上にあるファイルを保護フォルダーに同じファイル名で上書き移動し、一時ファイルの変更を破棄すると、ファイル消失の可能性が発生するのだ。この動作はWindows XP/Vista/7によってそれぞれ動作が異なるので、本機能を使用する際はマニュアルに記載された注意書きを熟読してから使用してほしい。

そして最後の新機能は、Windows OSのシャットダウン/再起動時に一時ファイルの内容を継続する保護継続機能だ。アプリケーションによってはセットアッププログラムを実行してファイルを展開し、コンピューターの再起動後に何らかの処理を必要とするものがある。従来の「HD革命/WinProtector」シリーズでは、コンピューター再起動後は一時ファイルの内容がクリアされるため、そのようなアプリケーションには対応していなかった。最新版ではこの点を考慮し、前述した新機能を加えたのである(図16~17)。

図16 再起動後の保護継続機能を有効にするには、詳細設定ダイアログの「その他の設定」にある「シャットダウン/再起動時に一時ファイルの内容を継続する」を有効にする

図17 同機能を有効にするためには、除外フォルダーやWindows Updateの設定を破棄しなければならない

本機能を使用する際は、除外フォルダー設定やWindows Updateの自動適用といった機能と併用できないのは残念だ。しかし、本機能を必要とする場面はそれほど多くないため、必要になった際に設定を変更し、事を終えたら元の設定に戻すといった使い方が現実的だろう。