NECの「SmartVision」といえば、PCによるテレビ視聴の黎明期から新技術を積極的に搭載してきたおなじみのブランドだ。この3月にはTwitterとの連動にも新たに対応するなど、いまでもチャレンジを続けるこのシリーズ。現在の「SmartVision」には何ができるのかを、ここであらためて振り返ってみたい。

NECのテレビPCは1995年にスタート

本連載で紹介するのは、NEC製のPCに搭載されているオリジナルTV機能「SmartVision」。Windows黎明期からPCを利用しているユーザーなら、この名前を聞いて"おっ"と思われるかも知れない。そう、"あの"SmartVisionである。

現在につながるNECのテレビPCは1995年に登場しており、じつに15年以上の歴史を持つ。当時より、その画質の高さからマニアックなユーザーにも好評を博していた。2000年にはMPEG-2ビデオキャプチャ機能を搭載、テレビチューナー搭載のノートPCも他社に先駆けてリリースするなど、その機能を充実させていく。今では当たり前の機能となった「タイムシフト再生」も、この頃からNECのテレビPCにはすでに実装されている。

写真左は、1995年発売の「PC-9821Cb2」に搭載されていたテレビチューナーボード(左)。インタフェースはなつかしの"Cバス"(汎用拡張スロット)だ。写真右は、2000年にSmartVisionブランドのテレビキャプチャボードとしてはじめて単体発売された「SmartVision PK-UG-X024」

SmartVisionの進化の歴史

2004年には、業界初の地デジ視聴・録画に対応したテレビソフト「SmartVision/DG」が搭載された。以後も、テレビ機能を強化しつつ編集機能などを充実させ、いわゆる"AVパソコン"というジャンルを牽引してきた。

そのいっぽうでは、2002年に80GBのHDDを搭載したホームAVサーバー「AX」シリーズをリリースしている。ネットワークを経由してPCと接続できるのが最大の特徴で、録画した番組映像をPCにコピーし、CMカットなどといった映像編集をPC上で作業できるといった連携機能が注目を集めた。このとき、PC側で録画番組の管理に利用されていたのもSmartVisionである。SmartVisionとは筆者の世代にとって、テレビ機能の定番と言っても過言ではない。

PC上で録画番組を管理できる仕組みを導入したホームAVサーバー「AX」シリーズ。録画番組をPCへ転送できるなど、画期的な製品だった