時代を超えた人気を実感――『鉄腕アトム』グッズコレクション
ロボットトイ・コレクションと反対側の壁面には、マンガの神様・手塚治虫が生んだ"科学の子"、鉄腕アトムのグッズがズラリ。全国各地で展覧会やトークショーなども開催するアトムコレクター・小池信純氏のコレクションだ。フィギュアはもちろん、ポスター、絵ハガキ、面子などの平面もの、実用品の類まで、ありとあらゆる種類のグッズが所狭しと並べられていた。ロボット研究者の中にも、アトムを究極の目標としている人は多いが、たくさんのグッズを通じて、時代を超えたアトムの人気や魅力が実感できた。
激レア!という意味では一番の目玉? レトロ・ロボットプラモ
「みんなのロボット大集合!」の最後、大トリを飾ったのがレトロ・ロボットのプラモデルコーナー。黄金模型店・小野和弘氏の貴重なコレクション群に、模型探偵団の明石小五郎氏が展示協力。筆者的には、実はこれこそ今回の目玉!? と思ってしまうぐらいに、主に1960年代の激レアなキットがいっぱい!
海洋堂の宮脇センム監修のもと、小野氏が2008年夏のワンダーフェスティバルで発売し、大きな話題となった大型書籍『昭和の未来科学模型 ロボット』。その中で紹介された、動く・歩くロボットキットの現物が惜しみなく展示されていた。
中でも、今は亡きイマイの「月世界パトロールロボット」(バンダイ版は「ガードマン ロボット」?)などは、単に"ロボット"と言った時に皆が思い浮かべるアーキタイプとも言える「相澤ロボット」のスタイルに酷似していたりして、非常に興味深いものだった。
サイズいろいろ、イマイのサンダーシリーズ。米アイディアル社の「ロボット・コマンドー」からパク……もといインスパイアされたもの? |
頭部がパカッと開くとミサイルが! このギミックも本家から受け継がれている |
トランスフォーマーのイラスト・マンガで知られる吉岡永嗣先生によるサンダー描き下ろしも! |
イマイ ロボットシリーズ「月世界パトロールロボット」。いかにもロボットらしい「相澤ロボット」を思わせるデザイン |
右の「ガードマン ロボット」はバンダイ製だが、中身は同じ? ちなみに箱絵は故・小松崎茂先生。2010年に静岡県立美術館でも開催された「ロボットと美術」展に原画が出展された |
以上、ざざーっと駆け足で紹介してきた「みんなのロボット大集合!×海洋堂フィギュアミュージアム in SHIZUOKA 3rd STAGE」。一口に"ロボット"と言っても、そのイメージは様々で、実に多岐にわたる。あらためて、ロボット・ワールドの広大さを感じさせてくれる展示だった。
また、フィクションのロボットに限らず、小規模ながらも大学で研究中のロボットが展示され、ロボットショーで実際に動くロボットたちと触れ合うこともできたのは大きい。訪れた子どもたちには、かなりワクワク楽しめ、記憶に残るイベントだったのでは? 不景気や原発事故など諸々の影響で、最近、本物のロボット業界はなんとなく停滞ムードだけど、こうしたイベントが未来の研究者誕生につながれば…と期待する筆者であった。
静岡の誇る模型メーカーが集結! 常設展示も充実
さて、ホビースクエアには、今回紹介したような有料イベント以外に、無料の常設展示スペースも設けられている。タミヤ、ハセガワ、バンダイ ホビー事業部、青島文化教材社など、静岡が誇る模型メーカーが自社製品をPRし、もちろんショップでも販売中だ。
特にバンダイは、『ダンボール戦記』や『機動戦士ガンダムAGE』などのロボット系プラモを大々的にアピール。ラウンジにはガンダムAGEのゲイジングバトルベース筐体も設置され、体験用のAGプラモも無料貸し出しも行なわれていた。購入した商品をその場で組み立てられる工作室、ミニ四駆サーキットも用意されており、週末には様々なイベントも開催。ご近所の模型っ子育成には一役買っていることだろう。
なお、5月17日(木)~20日(日)(一般公開日は後半2日)にはツインメッセ静岡で「第51回静岡ホビーショー」 も開催される。そちらを目当てに静岡を訪れる方も多いと思うが、ついでにホビースクエアにも足を運んでみては?