圧巻の物量でイメージの変遷を表現――ロボットトイ・コレクション
海洋堂フロアの先に続いていたのが、"ロボ太郎"としてロボットショーも担当する今回の企画の立役者、西山禎泰氏のロボットトイ・コレクション。会場の壁一面を使った長~いガラスケースいっぱいに、とにかくロボット、ロボット、ロボット! 圧巻の物量で、時代によるロボット・イメージの変遷を表現していた。
角張ったブリキのロボットに始まり、アトムや鉄人などのメジャーなロボキャラ誕生を経て、マジンガーZなどスーパーロボットの"合金"時代へ……。そして、金字塔・ガンダムの登場をきっかけに、'80年代はマクロス、ボトムズなど、リアリティとセンス・オブ・ワンダーを両立させたリアルロボットの世界が花開く。
また、「EXPO'85 つくば科学万博」の開催もあって、実際に研究開発された"本物"のロボットブームも盛り上がり、それを反映したトミーのオムニボット・シリーズなども登場。そして、時は流れ2000年代突入前後にも、AIBOやASIMOの登場で再びロボットブームが盛り上がりを見せ、本家のライセンス品はもちろん、パチモン的なオモチャも巷にあふれた。
そうした歴史を、ゆるやかに時代の流れに沿って並べられたオモチャたちを観ていくことで感じられる構成となっていた。個々の展示品は、復刻版や近年リファインされたものも多く、必ずしも往時のレアものばかりではないのだが、圧倒的な物量の中に、思わずニンマリとさせられる情景も織り込まれ、見応えのある展示だった。
東海地方の2大学が"本物"のロボットを展示・実演
ロボットトイのケース正面には、東海地方の2大学、静岡理工科大学、愛知工業大学の学生たちが研究開発した、いわば"本物"のロボット展示が。週末にはロボットショーも開催されていた。
静岡理工科大学は、長いアームを装備したレスキューロボット「スパイダー」や、重い荷物を載せて"ついてくる"追跡ロボットを展示。ロボット歌舞伎や、こめかみの筋電信号で操作するロボットのデモ映像なども披露していた。また、3月31日(土)にはロボットショーも開催。
一方、入場ゲート前にも「大鉄人AIT-G3」を実演展示していた愛知工業大学の「AIT鉄人プロジェクト」は、同大のイメージキャラでもある鉄人28号を、学生たちの手で実現させようというもの。光プロの許諾を受け2003年から開始、工学部電気学科の古橋秀夫教授の指導のもと、毎年1体のAIT鉄人を開発してきた。今回の展示コーナーでは「AIT鉄人3号」とともに、プロジェクトや歴代AI鉄人シリーズをパネルや映像で紹介していた。
イベント最後の2日間、4月7日(土)、8日(日)には、プロジェクトのディレクターを務める"ロボ太郎"西山氏が進行役となって、AITロボットショーも開催。子どもたちの背よりも大きな最新型「AIT鉄人8号」も出動し、大盛況だったようだ。
その他、タミヤのレスキューロボットキットを動かせるコーナーや、簡単に可動ロボットフィギュアが作れる「ASOBLOCK」の体験コーナーなども用意されていた。
静岡理工科大学のコーナー。ロボット歌舞伎の様子なども紹介されていた |
レスキューロボット「スパイダー」。長いアームを装備し、段差や急斜面を乗り越えることが可能 |
ひとりでできるもん!な「リコちゃん3号」。バンダイ製ホビーロボ「ネットタンサー」のカメラ部を搭載 |
4月7日、8日に開催された、AIT鉄人プロジェクトによるロボットショーの様子(写真提供:西山禎泰氏、静岡クリエイト) |
最新型「AIT鉄人8号」も出動。動く指で観客とジャンケン! 写真右、右端の人物が古橋教授(写真提供:西山禎泰氏、静岡クリエイト) |