クアッドコアは、単線の道路に対して複数車線の高速道路に例えられ、複数コアで並列して処理することでパフォーマンスを向上させるが、ザン氏も「全てのユーザーにクアッドコアが必要かというとノー」と認める。スマートフォンやタブレットは、使わないときはスリープ状態にあるが、内部ではメールの同期やSNSのチェックなど、バックグラウンドでアプリが動作している。こうした処理にはクアッドコアを全て使う必要がない。逆に負荷の高いゲームやマルチメディアの再生、FlashやHTML5のリッチなWebサイトを閲覧しているときなど、「必要なだけのパフォーマンスを提供できるのが重要」(同)だ。
それに対してTegra 3では、パフォーマンスとしてはTegra 2の最大5倍、GPUは最大3倍まで高性能化し、「PCクラスと言ってもいいほどの性能」(同)にしたことに加え、「4-PLUS-1」と呼ばれるコア設計を採用した。これは、メインとなる4つのコアに加え、低性能・低消費電力のコア(コンパニオンコア)を加えた5つのコアを使い、パフォーマンスが必要なときは4つのコアから必要な数のコアを使い、不要なときは低消費電力のコンパニオンコアだけで動作して全体の消費電力を削減する、というものだ。
「コンパニオンコアだけならけた違いに消費電力が少ないので、消費電力の劇的な低下が図れる」とザン氏。これによって、快適な操作性と低消費電力が両立できる。この結果、ビデオ再生時では最大61%、Web閲覧では最大30%の消費電力削減を実現したという。