SATAはZ68と変わらず、USB 3.0はチップセットに統合!?

ストレージ関連では、先のバックパネルにあったeSATAに加え、ボード側にも9ポート用意されている。マザーボードの右辺に8ポート、底辺に1ポートというレイアウトで、右辺のポートは上から灰色、白、黒と3色にわかれている。すぐ横あるシルク印刷を参考にすると、灰色の2ポートはGSATA3。これはGIGABYTEが独自に追加チップで実装するSATAポートで、SATA3対応であるようだ。その横にはMarvellのSATA3チップ「88SE9172」が搭載されている。白い2ポートはSATA3とだけ書かれており、チップセットの機能と見られる。また、次の黒い4ポートもSATA2とだけ書かれている。最後、底辺の1ポートはGSATA3とある。これも追加チップによる機能と見られ、チップを探すとx16スロットの#1と#2の間、PCIeスイッチチップの横に88SE9172が実装されているのが確認できる。

なお、チップセットの機能とみられるSATA3×2、SATA2×4というレイアウトはIntel Z68と同じ仕様だ。また、ストレージポート周辺にはUSB 3.0のピンヘッダが合計3つ用意されている。ピンヘッダはそれぞれ2ポートの増設が可能なので、バックパネルの4ポートと合わせると計10ポートのUSB 3.0が利用できることになる。

Serial ATAポートはボード上の9ポート+バックパネルのeSATA。チップセットの機能と見られるのは右辺にある白い2ポートと黒い4ポート。白いポートがSATA3だ。追加チップによる3ポートは全てSATA3。追加チップは灰色のポートの横と、x16スロットの間に実装されている。また、灰色のポートの上と黒いポートの下には計3基のUSB 3.0ピンヘッダが搭載されている

続いて主な追加チップを確認していこう。まずは2つ搭載されているのがVLIの「VL810」。これはUSB 3.0ハブだ。バックパネルの裏と、USB 3.0ピンヘッダの上に搭載されている。また、VIAのVL810はIEEE1394、RealtekのALC898はオーディオ、1000BASE-T LANは2つチップを搭載しており、AtherosのAR8151とIntelのWG82579Vが並んでいる。

VLIのVL810チップ。USB 3.0ハブとして、USB 3.0ポートを増設できる

VIAのVT6308PはIEEE1394チップ

RealtekのALC898は7.1+2ch HDオーディオコーデック

Qualcomm AtherosのAR8151はイーサネットコントローラ。PCIe接続で1000BASE-Tに対応することに加え、低消費電力規格であるIEEE 802.3azをサポートする

IntelのWG82579Vも1000BASE-T対応のイーサネットコントローラ

ここまで見てきたが、結局マザーボード上にはUSB 3.0チップは確認できない。あるのはUSB 3.0ハブチップだけだ。つまり、USB 3.0機能自体はチップセットに統合されている可能性が極めて高い。それも、ハブチップを要することから、10ポートよりも少ないことになる。ただし、USB 3.0はUSB 2.0や1.1の頃と比べ、極めて普及のスピードが早い。自作PC用のマザーボードでは、ごくローエンドの低コストマザーボードでもない限り、現在市販されている製品では追加チップという形でサポートされている。そしてノートブックにも搭載されている例があるし、USB 3.0対応の外付けHDDやUSBフラッシュメモリも多い。チップセットへの統合は満を持してというタイミングだが、これを機にさらに普及が加速するのではないだろうか。

ASMediaのASM1442チップ。ASMediaはUSB 3.0チップも製造しているので紛らわしいが、これはTMDS用。バックパネルのディスプレイ出力端子裏に2つ実装されている

そのほか、マザーボードの右上には、CMOSクリアとリセット用のスイッチ、電源ボタン、POSTコード表示パネル、そしてテスター用の接点と思われる配線パターンが見える