これに加え、現在までに3つの対策を完了している。1点目は、12月20日のユーザー管理サーバーの障害によりIPアドレスとメールアドレスの不一致が起きた件の対策として実施した接続手順の変更だ。

これらの障害に対応するために実施された対策

もともと、spモードでは端末からの要求に従ってパケット交換機がIPアドレスを払い出し、セッション管理サーバーがIPアドレスと端末の電話番号を紐付けてユーザー管理サーバーに通知し、ネットワーク認証サーバーに登録するという流れだったが、新たにネットワーク認証サーバーに登録されてから端末にIPアドレスを払い出すという仕組みに変更。この場合、仮に途中経路で障害が発生すると、そもそもIPアドレスが払い出されないことになり、メールアドレスとIPアドレスの紐付けが不一致にならないようになる。その代わり、障害があったらメールの送受信自体ができなくなる。この変更を行うために、認証サーバー24台、パケット交換機201台に新たなソフトウェアを投入した。2月19日に設定は完了したという。

2つ目の対策は、今年1月1日の障害に対応するために、新たにメール情報サーバー4台を開発し、これを導入。現在のメールサーバー201台を、新しいメール情報サーバー4台に接続するように変更をした。これは2月17日までに完了した。

3つ目の対策は、今後スマートフォンが拡大し、現在のドコモの契約数である5,000万台規模にまでなっても処理できるように、MAPS全体の処理能力・処理方式の再検証を行った。これによって、現状のままでも拡張性に問題がないことが分かり、今後強化すべき設備が特定できた、という。これは2月15日までに完了したそうだ。

これらの対策に加え、今後の追加対策として「バーストトラフィック対策」を実施する。これは、通信途絶後に端末が一斉に再接続を要求する一時的なトラフィックの急増に対応するための対策で、まず伝送路が切れるなど障害発生時に、再接続要求を「通信中の端末のみ」に処理を変更するようにする。これまでは、通信していない端末も再接続を行っていたが、この対策で非通信端末は再接続をしないため、トラフィックが減少する。非通信端末でも、通信しようとすれば再接続するほか、Android端末ではおおむね28分に1回の接続要求があり、その際に接続が行われることで、ユーザーへの影響を最小限にする。この対策は4月下旬までに完了する予定。

今後の対策

同様に、顧客情報を管理するIPSCPが予備機に切り替わった際も一斉に再接続が行われるが、これも抑制し、一度に再接続しないようにする。この対策を8月上旬に実施する計画だ。また、再検証によって把握した現状を踏まえ、サーバーソフトウェアの処理見直しによる処理能力向上、ネットワーク機器の設備増強などの対策を12月末までに実施する。