コストも見つつハイエンド"プラットフォーム"を狙うなら
今回の計測で見るとCore i7-3820は、Core i7-2700Kに対して明確な違いを見せていない 。逆に言えば、性能的にも消費電力的にも、Core i7-2700Kに似た、Sandy Bridge感覚で使えるSandy Bridge-Eと言えそうだ。その上で、CPU性能に関しては若干高性能なところも見せている。少なくとも、少し前の、Core i7-990Xがより新しいプラットフォームであるSandy Bridgeに逆転されていた状況から、正常な状態へと変わったことは確かだ。
なお、Core i7-3820に関しては、執筆時点ではまだ発売日も価格も公表されていない。しかしポジション的にはコア数の少ない、LGA2011のエントリーモデルとなるだろう。LGA1366の頃で言えば隠れたヒット商品であるCore i7-920に相当するだろうか。その想定から価格帯を予想すると、Core i7-2700Kよりも安く付けることは難しいかもしれないが、LGA2011プラットフォームの普及を加速する戦略的な価格が付けられるのでは、と期待したい。
もちろん、LGA1155プラットフォームは約1年が経過し価格もこなれ、コストパフォーマンスも十分であるのに対し、LGA2011プラットフォームはまだ目新しくそもそも価格帯が上で、メモリその他を含めたコストではLGA1155と大きな差がある。ただし、Core i7-920がそうだったように、その差が自作ユーザーにとって納得できる範囲内に収まれば、脱メインストリーム、チャレンジ・ハイエンドプラットフォームという流れを作ることも可能ではないだろうか。