製品メディアから復元を実行

さて、今回の主題である復元操作を確認しよう。何度か述べているように「Acronis True Image Home 2012 Plus」は操作性の向上を目指し、各操作の手順が簡略化されている。肝心の復元機能も各バックアップタスクに並ぶ「リカバリする」ボタンをクリックすれば、一連の復元操作を実行できるため、複雑な処理に部類される復元操作も簡単に実行できる(図13)。

図13 対象となるバックアップタスクの「リカバリする」ボタンをクリックすれば、すぐに復元タスクが起動する

問題はコンピューターが起動しなくなるなど、普段の環境から操作できない場面の対処方法だ。「Acronis True Image Home 2012 Plus」では以前から製品CD/DVD-ROMが起動ディスクとなっており、同メディアから起動した環境でAcronis True Image Homeシリーズを実行可能にする仕組みを設けてきた。もちろん本バージョンにも同機能は引き継がれており、製品DVD-ROMから起動することが可能である(図14~16)。

図14 最近のコンピューターであれば、起動時に特定のキーを押すことで起動デバイスを選択できる

図15 起動デバイスを選択する機能が備わっていない場合は、BIOSを呼び出して起動デバイスの順番を変更する

図16 製品DVD-ROMからコンピューターを起動すると、日本語のメニューが現れる。ここから「Acronis True Image Home(完全版)」をクリックする

独自環境で起動する復元環境は、WindowsOS風のインターフェースを備えており、ほかのOSを使ったことがないユーザーでも違和感を覚えずに操作できるはずだ。Windows 7上で稼働する「Acronis True Image Home 2012 Plus」の復元操作と異なり、旧来のウィザード操作を使用しなければならないが、画面の手順を追えば作業は進められる(図17~26)。

図17 これでレスキュー環境の「Acronis True Image Home 2012 Plus」が起動する。「リカバリする」の「ディスク」をクリック

図18 本製品ユーザーにはおなじみの、リカバリウィザードが起動する。バックアップデータを選択して「次へ」ボタンをクリック

図19 「ディスクまたはパーティション全体をリカバリする」を選択して「次へ」ボタンをクリック

図20 復元項目としてディスク全体を選択して「次へ」ボタンをクリック

図21 復元設定の操作をうながされるが初期状態のままでよい。特別な例がなければ「次へ」ボタンをクリック

図22 復元先のディスクが視覚的に表示されるので、問題がなければ「次へ」ボタンをクリック

図23 最後に復元に関する設定確認をうながされるので、問題がなければ「実行」ボタンをクリック

図24 「オプション」ボタンからは、復元時のベリファイといった設定を施すことができる

図25 これで復元操作が始まる。完了後にコンピューターを自動操作する場合は「リカバリの完了時にコンピューターを再起動する(シャットダウンする)」にチェックを入れよう

図26 バックアップの完了を示すメッセージが表示されたら「OK」ボタンをクリック。コンピューターを再起動するには、「Acronis True Image Home 2012 Plus」の「×」ボタンをクリックすればよい

なお、途中で選択できる「Acronis Universal Restore」は、バックアップイメージを異なるハードウェア構成を持つコンピューターに復元するための機能だ。例えばマザーボード(コンピューターの基盤)を換装したコンピューターに復元する場合や、古いデスクトップ環境を新しいノート型パソコンに移行させる際に活用したい。

「ディスクシグネチャをリカバリ」という項目はMBR(マスターブートレコード)を復元する際に使用するオプションだ。詳しく述べるとMBRにはHDDを区別するために一意的な署名が書き込まれている(オフセット01B8hから始まるデータであり、MBRの有用性を示すMBRシグネチャとは異なる)。「Acronis True Image Home 2012 Plus」では、自動的にこの署名を書き換えることで、以前とは異なる状態であることをOSに通知してきた。しかし、何らかの理由で元の状態にしなければならない場合に有用となるオプションだ。通常は使用する必要はない。

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