iTunes Matchは、Appleらしいシンプルで分かりやすいサービスだ。開始するには、バージョン10.5.1以上のiTunesでiTunes Matchを有効にするだけ。Apple IDを入力して認証が完了すると、すぐにiTunesライブラリをiTunes Storeのデータベースに照らし合わせる作業が始まる。440曲が入っているライブラリで試したら4分でチェックが完了、3/4程度の曲が合致した。登録またはアップロードできる音楽は、96kbpsよりも高いビットレートで、1ファイル200MB未満。またクラウドライブラリは最大25,000曲までとなっている。

iTunes(v10.5.1)で、StoreメニューからiTunes Matchを有効(オン)に

サービス契約はApple IDでサインインするだけ

すぐに「iTunesライブラリの情報収集」「iTunes Storeのデータベースとの照合」「アートワークと合致しない曲のアップロード」が始まる

クラウドにライブラリを移行した後のiTunes。「ミュージック」の一覧に"クラウド"のアイコンがある

iTunes Matchと同期しているiTunesで音楽を削除すると「デバイスから削除」になり、「この曲はiCloudからも削除されます」をチェックするとiCloud(iTunes Match)からも消える

さらに他のiTunes Matchをサポートするデバイス (Mac、Windows PC、iOS 5.0.1以上のiOSデバイス)でiTunes Matchを有効にすると、そのデバイスとクラウドの間で音楽ライブラリの同期が行われる。クラウドにない曲は、クラウドに登録またはアップロードされる。逆にクラウドに存在し、ローカルにない曲には雲形のダウンロードアイコンが付き、それらを再生するとダウンロードが始まる。つまりオリジナルが256kbpsよりも低いビットレートなら、本当にアップグレードされた音楽を入手できるのだ。ずっと昔に友達のCDから128kbpsで取り込んだ音楽が、256kbps AAC(しかもDRMフリー)に生まれ変わった。うれしいけど、気前よすぎて「本当にいただいていいんですか……」と確認したくなる。

iTunes Matchに同期したオリジナルの曲。ビットレートは151kbps。このCDは手元にないので、より高いビットレートで取り込み直すのは不可能だが……

iTunes Matchを通してダウンロードし直したら256kbps AACに。DRMフリーだから他のプレイヤーやソフトでも再生可能。ただし購入者/アカウント名が曲に明記されているので、不正に配布すると大変なことになる

iPadでiTunes Matchを有効に

iPad内の音楽ライブラリがクラウドライブラリに置き換わるという確認

クラウドライブラリを利用している状態のiPadのミュージック・アプリ。ローカルに存在しない曲を再生するとダウンロードが始まる。アルバム単位のダウンロードも可能だ

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