大きなポイントは、iモードで使っていたマイメニューを利用できる点だ。これまで使っていたiモードサイトがdメニューでも提供していれば、特別な操作をしなくても、これまでの会員情報をそのまま移行できる。

移行だけでなく、dメニューで簡単に会員登録を行い、コンテンツを利用できるようになる。課金もiモード同様に、携帯の利用料から支払いでき、月額課金によるサービスの利用も可能になる。

これを実現するために、今回ドコモでは、携帯番号をSIMから取得し、各CPに対して個別のIDを発行する方式での認証基盤を構築。無線LAN環境下ではdocomo IDを使うことで認証を行う仕組みで、従来のiモード携帯電話と同様の使い勝手を実現した、という。spモードの基盤で動作しているものの認証・課金基盤は異なるそうで、セキュリティを含めた詳細は会場では明らかにされなかった。

いずれにしても、これによってiモードのように、ユーザーは好きなコンテンツを選び、「月額課金の低価格でたくさんのコンテンツを利用できる」ようになり、CP側は、買い切りではなく、継続的に課金できるというメリットがあるとしている。

山田社長は、こうした認証基盤や月額課金の仕組みは、例えばアップルによる垂直統合モデルでは実現できないという認識を示し、自由でオープンなAndroidだからこそできたことだとして、差別化のポイントとして強調。「discover the new way」がコンセプトであり、「d」の文字をシンボルマークとして「スマートフォンの可能性がさらに大きく広がっていく」と力を込める。現在ドコモでは、iモードでの料金代行などで300億円程度の収益があるとのことで、「dメニューではそれを上回っていく」ことを狙っている。

「d」がシンボルマーク

ドコモのコンテンツ配信サービス「dマーケット」

dメニューに加えて提供されるのが、ドコモによるコンテンツ配信サービス「dマーケット」だ。dメニューと同様に11月中旬から提供される。提供されるのは「VIDEOストア」「BOOKストア」「MUSICストア」の3つのコンテンツと、Android Marketのアプリを紹介する「アプリ&レビュー」の4つのサービスが用意される。

VIDEOストアは、国内外の映画、テレビドラマ、アニメなどのコンテンツを、ドコモスマートフォン向けに月額定額で提供する。「ビデオ関係のストアをドコモが提供するのは初めて」で、当初約5,000タイトル(約2万エピソード)を用意し、月額525円で利用できる。現在月額315円で提供されているBeeTVのコンテンツも見られるため、月200円程度を追加することで視聴できるコンテンツが一気に増える形で、山田社長は「かなりのユーザーに利用してもらえるのでは」と期待する。

国内外の映画やドラマなどの映像を配信するVIDEOストア

ドコモでは、米国から上陸した映像配信のHuluとの提携も発表している。Huluは米国のコンテンツを中心としたラインナップに加え、スマートフォン以外のPCやテレビなどでも視聴できるマルチデバイスというメリットがあり、VIDEOストアは「気軽に見てもらう」という位置づけだ。