ネット証券の投資信託預かり資産総額で3位に

――主要オンライン証券会社の直近の投資信託預かり資産総額で、御社の調べでは、SBI証券、マネックス証券に次いで、御社は3位(約1,000億)になったとお聞きしました。急成長している原動力は、どういったところにあるのでしょうか?

「Small is beautiful」という言い方を社内ではよく口にします。これは規模(薄利多売)ではなく、小さく、強く育てて、投資家と深くつながる、という我々の方向性をして示している言葉です。

当社ではお客さまの1口座当たりのファンド預かり運用残高が300万円を超えているのが特徴で、オンライン証券の口座としては、非常に高い水準といえます。

若林氏は、「1口座当たりのファンド預かり運用残高が300万円を超えているのが特徴」と説明してくれた

――1口座当たりのファンド預かり運用残高が300万円を超えているというのは、確かにすごいことですね。

2006年からの商品戦略もそうですけれども、我々がまず分析したのは、お客様が満足していないエリアがどこかということでした。従来のオンライン証券と伝統的なオフライン販売の間で、満足していないお客様がどこにいくのかということを分析したのです。

大手の証券会社に口座を持たない投資家は、一つのオプションとしてオンライン証券に行くわけですけれども、そこで投資信託で長期的に資産を積み上げたいと思っている人、また、マス・アフルエント(富裕者層)はどこに行くか、という本格的なソリューションが、まだ日本にはなかったと思います。ですから、そこにソリューションを出していくかということを前提に、マーケティングを実施してきました。

オンラインはお客様と直接接するわけではありませんから、マーケティングで勝負しなくてはなりません。日本の金融機関の中で、マーケティングという言葉があまり出てこないのは、少し残念です。これは、業界全体で取り組んでいかなければいけない課題で、顧客のニーズにちゃんと応える仕組みを提供し、オンラインの投信取引のボリューム全体を大きくしていかなければいけない、と考えています。

さきほどもご指摘いただきましたが、1997年12月の開業から13年で投資信託預かり資産総額がオンライン証券業界3位クラスに成長していますが、今後2015年までさらに、3倍増を目指していきます。

目標達成のための施策として、(1)新規顧客獲得キャンペーンの強化・加速、(2)インターネットのみならずコールセンターでの取引を併用したハイブリッドなサービスの維持、(3)自ら投資判断を行うインターネット投資家層の資産形成支援のためのセミナー開催、(4)ウェブ機能の向上、などを計画しています。

――本日はお忙しい中、ありがとうございました。