メールの送受信・管理に使うソフトにメーラー(もしくはメールクライアントソフトと呼ぶ)がある。Mozillaが無償でリリースするThunderbirdは、その1つである。最近のメールといえば、Webメールが一般的である。Webブラウザ経由でメールサーバーにアクセスし、管理などもすべてブラウザ上で行う。インターネットに接続し、ブラウザさえあれば、どこでも利用できるという利便性が評価されている。もはやメーラーは不要?そんなことはない。確かにWebメールも非常に高機能化しているが、ローカルにメールを保存することで、より細かな管理を行うことができる。そして、Thunderbirdに代表されるメーラーは、プラグインやアドオンといった拡張機能を利用することができる。これにより、より便利に使うことができる。本稿では、先頃リリースされたThuderbird 6を紹介する。

Firefoxと同じく高速リリースに移行

Mozillaといえば、WebブラウザのFirefoxが有名である。このFirefoxもバージョン5から高速リリースに移行し、6週間ごとにバージョンアップが行われる。Mozillaでは、ThuderbirdもFirefoxにあわせ、2011年6月にバージョン5(バージョン4はスキップ。これは、Firefoxとバージョン番号を揃えるため)、そして今回バージョン6がリリースされた。予定通りであるならば、FirefoxとThunderbirdは、ほぼ同じタイミングで、今後もアップデートされることになる。今回のバージョン6では、

  • Windnows 7のジャンプリストに対応
  • Outlookからのインポート処理の改善
  • ユーザーインターフェイスの修正と改良
  • 全体的な安定性・安全性の向上
  • セキュリティ問題の修正

などが図られている。Firefox同様、これまでのセキュリティアップデートも同時に行われる。特段の事情がなければ、ユーザーは速やかにアップデートを行うべきであろう。以下では、初めてThunderbirdを使用するユーザーを念頭に、インストールから紹介しよう。

Thunderbird 6のインストール

ダウンロードは、MozillaのThunderbirdの公式ページから行う(図1)。

図1 MozillaのThunderbirdの公式ページ

ダウンロードしたThunderbird Setup 6.0.exeをダブルクリックして、セットアップを開始する(図2)。

図2 セットアップの開始

途中、ユーザーアカウント制御などの確認が行われるが適切に対応する。特に難しい設定はない。ほとんどがデフォルトで問題ない。セットアップが完了すると、図3のようになる。

図3 セットアップの完了

この後、Thunderbirdが起動するが、初めてThunderbirdをインストールした場合、まずアカウントの作成が行われる。名前、メールアドレス、パスワードを入力する(図4)。

図4 アカウントの作成

図4の入力を行うと、ISPのデータベースが参照され、設定などが自動で行われる。著名なISPならば、ほぼ対応している(図5)。

図5 メールサーバーや接続方式などが自動的に設定

[アカウントの作成]をクリックする。次に、Thunderbirdでメール以外にニュースを読む場合の設定と規定のクライアントとするかの確認がでる(図6)。

図6 システム統合

[OK]をクリックすると、実際にメールサーバーに接続が行われる(図7)。

図7 メールサーバーに接続

以上で、セットアップは完了である。ちなみに、Thunderbird 5からバージョンアップするには、[ヘルプ]→[Thunderbirdについて]を選択すると、自動的に更新のダウンロードが行われる。

図8 Thunderbird 5からのアップデート

ここで、[ダウンロードした更新を適用]をクリックすればよい。

他のメーラーからの移行

これまで、異なるメーラーを使っていた場合には、そのメーラーのメールボックスをインポートする必要がある。[ツール]→[設定とデータのインポート]を選択する。デフォルトで[すべてインポート]にチェックがついているが、たとえば、[メールボックス]にチェックを入れる(図9)。

図9 設定とデータのインポート

[次へ]をクリックすると、インポート可能なファイルタイプ(メーラー)の選択画面となる(図10)。

図10 ファイルタイプ(メーラー)の選択

ここでは、Eudora、Outlookなどがインポート可能である。選択肢にない場合には、UNIX mbox形式のデータを経由するとインポート可能な場合がある(ファイルタイプは、Eudoraを選択する)。また、Windows Mailはeml形式でエクスポートし、ImportExportToolsというアドオンでインポートできる。他にも、フリーの変換ツールがあるので、調べてみるとよいであろう。