キーピッチは実測で16mm程度。極端に扁平なキーなどもなく、配列も標準的だ。キータッチはやわらかく、押し込める深さもそれほどではないが、きちんとしたタッチ感はある。小型のモバイルPCなどを使ったことのある人ならばムリなくタッチタイピングできるだろう。
おもしろいのはスペースキーの右側。スペースキーの右の上部が黒くつるりとしたデバイスは、実はタッチパッドの役割を果たす。この上で指先をわずかに動かすとカーソルが移動するのだ。クリックはこのキー(ボタン)を押せばよい。2度押せばダブルクリックになる。さらにその右のマウスの絵がプリントされたボタンが右クリックボタンとなる。
このデバイスのドラッグには少々コツがあり、できるだけ指の先のほうを置いた状態でクリックし、そのまま指の腹から手のひらに向けて滑らせる感じになる。とはいえこの操作は残念ながらあまり使いやすいものではないので、ドラッグに関してはディスプレイ上でタッチ操作を利用するほうが便利だろう。
ドラッグに限らず、ディスプレイのタッチ機能で大半の操作はできる。ただ、たとえばWindowsのスタートメニューを操作する場合など、細かい操作をするのにタッチでは狙ったところにうまくいかないというときには、この指先ポインターが役立つはずだ。
インタフェースはノートPCスタイル時の右側面にあたる位置に電源ボタンとUSB 2.0×2、電源コネクタが搭載されている。左側面にはHDMI出力×1、SDメモリーカード対応のダイレクト・メモリースロット、ヘッドホン端子、音量コントロールが配置されている。
有線LAN機能はないが、無線LANとBluetoothに対応。ディスプレイ上部に約30万画素のカメラが埋め込まれていることといい、ノートPCスタイルでの使い勝手はほぼノートPCそのままの雰囲気となっている。HDMIポートが搭載されているから、外部ディスプレイへの出力にも利用できるのが魅力的だ。
搭載されているOSもWindows 7 Home Premium 32ビット版だから、普段利用しているPCと変わらないだろう。タブレット市場のトップランナーといえばiPadだし、最近続々と各社からAndroid搭載タブレットが登場しているが、仕事に使うことを考えてWindowsが動くことを必須条件にしたいユーザーは多いだろう。また、改めてAndroidの使い方を覚えるのが面倒だという意見もありそうだ。そういったユーザーにとっても、いつも通りの使い方で利用できるタブレットというのは価値があるのではないだろうか。