編集モードを活用する

最初に述べたとおり、TepaEditorには編集モードを用いることでソースコードや文書内容の色分けや編集環境の切り替えが可能です。インストーラー付きパッケージに同梱されていない、コントリビューションファイルとして興味深いのが「漢字」という編集モードファイル。

小学校一年生から六年生の各学年で学ばない漢字やJIS83略字体、常用漢字以外の漢字を強調させる各編集モード、もとい強調表示設定が用意されています。ここでポイントとなるのが、会社独自の表記統一。例えば本Webサイトや印刷物を制作する出版社では表記統一が重要ですが、難しい漢字を開く(ひらがなにする)ルールを採用している場合、本編集モードの「常用漢字」が役立つでしょう(図21~23)。

図21 公式サイトから編集モードファイル「漢字」をダウンロードし、TepaEditorを導入したフォルダーに展開します

図22 TepaEditorを起動し、編集モードを「常用漢字」に変更しますと、特定漢字や記号がハイライト表示されます

図23 強調表示設定は編集モード設定ダイアログの<強調文字>から編集可能。記号など不要な部分は削除しましょう

しかし、同編集モードは配色の問題が発生しますので、強調表示設定のエクスポートとインポート操作を行いましょう。なお、ダイアログによる操作を用いずとも編集モードファイルを直接開き、「%ReservedStrings%」で始まり「%EORS%」で終わる範囲をコピー&ペーストすることでも同様の結果を得ることができますので、お好きな手順でお試しください(図24~28)。

図24 エクスポートする編集モードを選択してから<強調文字>を開き、<ファイルに書き出す>ボタンをクリックします

図25 ダイアログが起動したら、任意のファイル名を付けて<保存>ボタンをクリックします

図26 編集モードを「デフォルト」に変更してから<強調文字>を開き、<ファイルから読み込む>ボタンをクリック。図25で出力したファイルを選択します

図27 これで異なる編集モードに強調文字を読み込ませることに成功しました

図28 これが適用結果。筆者の「阿」のときが白く表示されています。配色に関しては好みに応じて変更しましょう

なお、同強調表示設定は常用漢字以外が登録されており、それ以外を通常表示するという仕組みです。そのため、配色を変更した場合はそのまま使うのは難しいので、独自のルール作成手順を身につけましょう。例えば使用頻度が低い第二水準漢字だけ強調する場合は、「[弌-傲僉-咨咫-奩奸-廏廖-戛戞-暼曄-檣檗-滌漾-珱瓠-磬磧-紆紂-腋隋-蕈蕁-襞襦-蹊蹇-錮錙-顰顱-鵈鵝-熙]」という正規表現を使いましょう(図29~31)。

図29 不要な強調文字を選択して<削除>ボタンをクリックし、不要な強調文字を削除します

図30 <追加>ボタンをクリックし、起動したダイアログに「[弌-傲僉-咨咫-奩奸-廏廖-戛戞-暼曄-檣檗-滌漾-珱瓠-磬磧-紆紂-腋隋-蕈蕁-襞襦-蹊蹇-錮錙-顰顱-鵈鵝-熙]」と入力し、<正規表現>にチェックを入れてから<OK>→<OK>とボタンをクリックします

図31 これで第二水準漢字だけ強調表示されます

また、筆者のように漢数字を多用する著者の原稿に対し、漢数字を英数字に変更する場合は、「[〇一二三四五六七八九]」とすることで、漢数字のみが強調表示されます。「[〇一二三四五六七八九][種つ]」と漢数字に続く文字の制限を付ければ、より利便性を高まりますが、このあたりは用途に応じて工夫してください(図32~33)。

図32 漢数字を強調する場合は、「[〇一二三四五六七八九]」と記述します

図33 これで漢数字のみ強調表示されました