それによると、これまでに開催されてきた有料のライブイベント「ニコニコ大会議」は、累計でリアルチケットが14,000枚(6,800万円)、オンライン視聴用のネットチケットが51,600枚(7,300万円)を売り上げたとのこと。
夏野氏は「ニコニコ動画ではネットライブにお金を払うということが定着している。こういった実績を鑑みてネットライブ専用のライブハウスを造ろうということになった」と、ニコファーレ誕生の経緯を明かした。
こうして完成したニコファーレの特徴は三つ。
一つは、生放送中にユーザーから書き込まれたコメントが会場のLEDモニターに反映されるということ。これは過去のニコニコ大会議などでも行われてきた演出だが、今回は壁4面のLEDモニターすべてにコメントを流すことができるため、双方向性はさらに高まっていると言える。
会場のコメントが夏野氏の後方モニターに現れ、さらに左手壁面のモニターへと流れていく。動きも非常になめらかだ |
放送を見ているユーザーのプロフィールアイコンを壁面モニターに映し出すこともできる。どう使うかはさておき面白い機能だ |
次に、壁4面と天井を覆い尽くすLEDモニターを使った映像演出だ。記者発表会では「演出体験ツアー」としてダンスアクト、生演奏、討論番組のデモンストレーションが行われたが、そこで記者は"光と音と映像に包み込まれる体験"をした。この迫力とトリップ感は思っていた以上の完成度である。さすが夏野氏が「黒字化の見通しは立っていないけど、これを見たら"もういいや"と思った」と言うだけのことはあるなと感じた。
夏野氏の合図で一斉に会場のLEDモニターに桜が映し出される。思わずため息が出るほど圧倒的な光景だ |
LEDモニターの映像は非常に美しいのだが、写真に収めるとどうしても荒れてしまう……本来の美しさは会場かニコ生でご確認いただきたい |
最後はAR(拡張現実)の技術を用いたCG合成演出だ。これは、生放送時に会場の映像とCGを合成することで、実際にはいないキャラクターを登場させたり、コメントの動きを自在に変えたりできるというもの。これまでにもニコニコ大会議などでは実験的に行われてきた技術の集大成である。
最後に会場内の設備をご紹介しよう……続きを読む。