――原作の『うさぎドロップ』は第1部と第2部に分かれていますが、今回の全11話という構成では、どのあたりまで描く予定になっていますか?

「当初は、第2部も組み込んだストーリーで構成するという意見もあったのですが、ちょうどキリもいいところで、原作の1巻から4巻の子ども時代だけで構成することになりました」

――実際に制作を始めて、成長したりんも描いてみたいといった気持ちはありますか?

「それはないですね。扱っているテーマが違うので、最初から組み込むのはムリだと思っていたんですよ。単純に大人になったりんを見たい、大人になったコウキを見たいといったアプローチならアリだとは思いますが、今回の場合、それは必要ないと思います」

――今回、オープニングの映像は森本千絵さんと泰永優子さんと大塚いちおさん、エンディングの映像は劇団イヌカレーが手掛けていますが、こちらの映像をご覧になった感想はいかがですか?

「まずオープニングの映像は可愛すぎですよね。本当にお願いできてよかったなって思いました」

――亀井監督からの注文などはあったのでしょうか?

「大雑把なオーダーはしましたが、基本的にはお任せですね。りんはこういうものが好きですとか、作品の世界観については説明しましたが、作業してくださった森本さん達も、『うさぎドロップ』の原作を読んでくれていましたし、そのあたりの意識の共有はできていたと思います」

――エンディング映像についてはいかがですか?

「エンディングはイヌカレーなので……とにかく頑張っているんですよ。『まどか☆マギカ』の印象が強いので、ちょっとダークな感じになるのかなと思っていたのですが、そこはうまく表現してくれていますね」

――まもなく放送開始となる『うさぎドロップ』ですが、序盤で注目してほしいポイントはありますか?

「構成上、1話から5話と6話から11話という2部構成になっていて、前半では大吉とりんが本当の親子ではないけれど、新しい形での親子関係を築き上げていくところを描いています。そこはかなり時間をかけて丁寧に描いているので、ぜひ注目していただきたいですね。あとはりんを可愛く描いていますので、そこも注目です」

――今回の『うさぎドロップ』は"ノイタミナ"での放送になりますが、"ノイタミナ"という枠に対してはどのような印象がありましたか?

「幅広くいろんなジャンルを扱う枠なんだなっていうことと、最近オリジナルをたくさんやっていて大変そうだなって思っていたぐらいですね」

――そういう意味では、あまり"ノイタミナ"だからという意識はなかったですか?

「それはないですね。経験がないものですから、"ノイタミナ"だからということ以前に、とにかく最初は不安だけという感じです」

――実際に制作を進めていって、そのあたりの不安は解消されていますか?

「いやいや、もう放送されるまで不安は増大されるばかりですよ」

――早く放送されて、視聴者に判断してもらいたいというところでしょうか?

「そうですね。でも、その判断も怖いじゃないですか。なので、某掲示板は見ないと決めています。絶対にボロクソに言われて、落ち込んで仕事ができなくなると思いますから。ただ、監督として作品に対する自信はもちろんあります。100%のものができたと思っています」

――それでは、最後に放送を楽しみにしているファンの方へのメッセージをお願いします

「とにかく、りんと大吉のチグハグな生活を楽しく切り取っていますので、ぜひそこを見てもらいたいですね。大吉の慌てぶりとか、りんの子どもとしての可愛らしさ、そして、ときどき大吉とりんの大人と子どもが逆転する感じ……大吉がりんに怒られるとか。そういったところでクスッと笑ってもらえたらいいなと思います。あとは音楽ですね。映像との相乗効果もあって、ほんとうにすばらしく仕上がっておりますので、そのあたりもぜひ注目してみてください」

――ありがとうございました



TVアニメ『うさぎドロップ』は、2011年7月7日(木)より毎週木曜の24時45分~フジテレビ"ノイタミナ"ほかにて放送開始(※初回のみ25時~放送予定)。関西テレビでは7月12日より毎週火曜25時58分~(※初回のみ26時23分~予定)、東海テレビでは7月14日より毎週木曜26時05分~、BSフジでは8月6日より毎週土曜25時30分~(毎月最終週のみ26時~放送予定)放送 (放送時間は予告なく変更される場合がある)。

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