ここで少し、タッチパネルの話をさせていただきたい。

タッチパネルの方式として有名なのは、画面が押されたことを感知する「感圧式」と、表面に指が触れたことで電気的な状態が変化するのを感知する「静電式」の2つだろう。タブレットPCやスマートフォンの多くは、このいずれかを採用している。iPhoneのように指の腹で操作するタイプは静電式、ニンテンドーDSなどペンや爪の先でつついて操作するタイプが感圧式だと思っておけばほぼ間違いない。

しかしこの2つの方式には、それぞれ弱点がある。感圧式はマルチタッチを実現するのが難しく、認識させるために比較的しっかり表面に触れなければならない。細かい絵を描く、文字を書くといった作業をペンで行うには使いやすいが、素手で手軽に操作するには向いていないのが現実だ。一方の静電式は電流が流れることが重要であるため、爪の先などでは反応しない。ペンで使う場合には、専用のものが必要だ。大型のタッチPCなどではよく採用されている方式だが、指先で触れるためどうしてもディスプレイに汚れが目立ってしまう。

この2つの方式に対し、指先でもペンでも利用出来るタッチパネル方式がある。それが、本機をはじめとする日本ヒューレット・パッカードの製品に採用されている光学式タッチパネルだ。これはディスプレイの上部左右に埋め込まれたセンサーがディスプレイ近くにあるものの位置を検出するというもので、ディスプレイに触れるものは指だろうとペンだろうとかまわない。

実際に利用してみると、かなり軽快に反応してくれる。付属のタッチ専用統合ソフトウェア「HP TouchSmartソフトウェア」を利用して写真の加工やちょっとした落書きなどを試してみたが、非常にスムーズに使うことができた。

タッチ操作で利用しやすいユーティリティがまとめられた「HP TouchSmartソフトウェア」

画像や動画、手書きメモなどが簡単に楽しめる

なお本機のディスプレイではベゼル部がディスプレイ面より高く、段差があるため、左下隅のスタートボタンを指の腹の部分で押すのは難しい。そこで指を立てて爪を差し込むような気持ちで触れるとムリなく表示させられた。もちろん、細いタッチペンなどを使えばさらに快適だ。

画面下部には高品位な音質で定評のあるBeats Audioのプレミアムスピーカーが搭載されており、斜めに倒した状態で使いながら音を出すと、ちょうど顔の下あたりから音が出てくる感じになる。これも臨場感があって楽しい。画面上部のカメラは、角度調整が可能なので、ディスプレイを大きく傾斜させた状態でもユーザーの顔をとらえることができる。

ディスプレイ下部には「Beats Audio」のプレミアムスピーカーが配置されている

ディスプレイ上部の埋め込みカメラは、背面のダイヤルで角度調整が可能。写真のレンズの向きが変わっているのがわかるだろうか? この仕組みのおかげで、ディスプレイを大きく倒した状態でも利用できる

背面のケーブルアシスタント用カバーを開いたところに、USB 2.0×4、LAN、オーディオ端子などが配置されている

左側面には6 in 1メディアカードリーダーUSB 2.0×2、マイク端子/ヘッドホン端子、音量コントロールを装備

右側面にはスロットローディング式の光学ドライブと電源ボタンがある