まずは一新されたデザインを見てみよう。ブラックを基調とし、マットなボディのフロントに光沢のあるカバーが取り付けられているという構造は以前と同じだが、眺めた時の印象はだいぶ変わっている。光沢カバーの取り付け位置が大きく左に偏り、左右非対称になっているのだ。左端がほぼボディの端に到達しているのに対して、右端は光学ドライブのイジェクトスイッチなどが余裕を持って配置できるほど空いている。
このフロントパネルは前に飛び出しているようにも見えるのが特徴だ。全体に丸みのあるパーツが、ボディから浮き上がるように取り付けられている。浮かせた分の隙間からは筐体内に空気を取り込んでいるが、ユーザーからはスリットが見えないデザインだ。ボディとフロントパネルの角が丸く加工されていることもあり、無骨になりがちなミニタワーのボディとしては柔らかい印象だ。
設置場所としてはデスク下を想定したデザインとなっており、頻繁に使われるカードリーダーがフロント上部に集められているのは従来どおりだが、電源ボタンを天面からカードリーダーの隣へと移動し、天面はインターフェースやトレイなどを廃したフラットな構造となった。デジタル機器などをここに置いておきたいユーザーなどには、より使いやすくなっている。
フロント中央にはUSB 2.0×4とマイク端子/ヘッドホン端子が用意されているが、使わない時にはシャッターを下ろしておける。以前はほぼ中央に置かれていたロゴマークが左下に移動したこともあり、中央付近は非常にすっきりした印象だ。
筐体内部には十分な余裕があり、グラフィックスカードの追加なども余裕を持って行える。メモリスロットにも空きがあるため、購入後ユーザー自身の手でパワーアップさせることも容易だ。ただしケースの開け閉めにはマイナスドライバーが必要で、頻繁な開閉は想定されていないようだ。
マザーボードの取り付けは、いわゆる逆倒立スタイルを採用している。シャドウベイとメモリ、CPUが一直線に並ぶためエアフローが直線的になり、冷却効率がよいとされている方式で、HPでは長く採用されているものだ。浮いたフロントパネルの隙間から吸い込まれた空気がそのまま背面へと抜けるように設計されており、さらに両サイドパネルにいくつかもうけられたメッシュ部分から発熱量の多いパーツが効率的に冷やされる仕組みになっている。