音楽、ビデオ、ソーシャル、とびっきりのコンテンツ・アプリ
サービスとしては、新たにサブスクリプション制のストリーミング音楽配信サービス「LISMO unlimited」を開始する。KDDIが出資している台湾KKBOXの音楽プラットフォームを活用し、音楽コンテンツはレコチョクが提供する。当初は「ほぼ洋楽」(同社)という100万曲の楽曲を用意。月額1,480円ですべての楽曲を聴き放題になる。
同社では「音楽のヘビーユーザーをターゲットにしている」としており、一度再生した楽曲は200~1000曲まではメモリカード内にキャッシュされ、電波が届かない場所でも再生できるようにした。サービス開始は6月中旬から。利用開始後2週間の無料期間があり、その間に全機能を試用することが可能。
音楽サービスの「ライトユーザー向け」(同社)として提供するのがラジオサービス「LISMO WAVE」の音楽映像チャンネル「Musiclips」だ。レーベルゲートと協業し、ミュージッククリップを配信する。無線LAN環境下において、「Musiclips HITS」「Musiclips LOVES」「Musiclips CHOICE」の3チャンネルを提供し、それぞれテーマに沿った映像コンテンツが流れ続けるサービスだ。サービス開始は6月1日からで、12年3月末までは利用開始後3カ月間は無料となる。月額利用料は315円。
Facebookとの連携を強化
米国から帰ってきたばかりという田中社長。「最後にとびっきりのニュース」として話したのがFacebookとの協業だ。米国では、これに関して協議してきたようで、「Facebookをなんとかスマートフォンの中でもっと使いやすくして、新たな世界を作っていきたい」と意気込む。
まずはauスマートフォンに搭載されているソーシャル電話帳アプリ「jibe」と連動し、Facebookの最新情報などをより見やすくし、アドレス帳からFacebookメールを送信できるようにする。新スマートフォンのINFOBARでは、ホーム画面にFacebookの情報を表示するオリジナルウィジェットも追加する。
さらに、FacebookのプラットフォームとKDDIが提供する各種au oneサービスを相互に連携した新しいサービスも開発していき、「(両者の)連動で新しい価値、付加価値を提供したい」考えだ。具体的な内容は現在検討中とのことだが、LISMOや位置情報、コマース、アプリなどをFacebookと連携させ、「いいね! といわれるようにしていきたい」としている。
FacebookのCountry Growth Manager児玉太郎氏は、Facebookのアクティブユーザーが全世界で月間5億人を超え、その中でモバイルからの利用者が2億5,000万人に達したと話し、「18カ月で4倍の成長を遂げた」という。このことから、今後もモバイル利用者は増えてくると見ており、全世界の300のキャリア、端末メーカー、アプリ開発者などと協業が欠かせないと指摘する。日本では、米国外では初めての開発拠点を東京に設け、「携帯電話での利用が快適になるように試行錯誤をしてきた」という。KDDIとの連携では、「今までにないモバイルソーシャルエクスペリエンスを体験してもらえる」という認識で、大きな期待を寄せている。
国内の開発拠点で、通常のフィーチャーフォンでも使いやすいように開発している |
モバイルサイトやアプリと、Facebook Graph APIとの連携で新たなモバイルソーシャルエクスペリエンスの実現を狙う |
会見後の質疑応答では、HTC EVO WiMAXに続くWiMAX内蔵スマートフォンについて、田中社長が「秋まで待って欲しい。秋にはドカンと出てくる」と話し、ラインナップを強化する方針を示す。なお、テザリングに関しては、WiMAX内蔵スマートフォンで利用できる機能になるのが前提だという。
また、今回は国内メーカーのスマートフォンが中心だったが、「グローバルメーカーとの協議は鋭意行っていて、これからの展開にも期待して欲しい」(商品統轄本部プロダクト企画本部長・増田和彦氏)という状態で、「秋以降はグローバルフォンは出てくる」(田中社長)という。