荒井萌

――荒井さんには井口監督からどのようなアドバイスを?

井口「怖がり方のパターンもたくさん必要だったので、彼女には一本調子にならずそのつどニュアンスを変えるよう細かくリクエストしました。声が出るパターン、声が出ないパターン、ほかにも『目から血が出そうな』パターンとか(笑)」

荒井「そうですね。自分でも同じ芝居になるのが嫌だったので、『この時はどうなると思いますか?』と監督と話し合いながらお芝居させていただきました」

井口「そもそもホラー映画のヒロインって、そこに行ったらダメだろうって場所にわざわざ行くじゃないですか(笑)。その意味で荒井さんは理不尽な感情に基づく芝居をするのが大変だったと思います」

仲村「私は表情などについて監督に相談すると、監督自ら実演して下さるのが面白かったですね」

井口「ある時、仲村さんと富江の笑い声合戦をしたんですが、彼女の方が僕より声量も迫力もあって負けてしまい、その日は1日中ヘコんでました(笑)」

仲村みう

――姉妹役ということで、役づくりで特にこだわった部分はありましたか?

仲村「私の周りの姉や妹がいるコを見ると、みんなありえないくらい距離が近いんですよ。すごく近くて、すごく分かっているからこそ、たまに嫌味なことも言えるというか。ただ、富江はもはや人間ではないので(笑)、撮影の待ち時間はなるべく萌ちゃんと一緒に話をして、姉妹の感覚を忘れないようにしてました」

井口「そこは映画での関係性とは真逆でしたよね」

仲村「以前は妹が欲しいなって思ってましたけど、さすがにちょっと怖くなりましたね。女同士って恐ろしいというか…お姉さんは絶対にいらないです(笑)」 荒井「私は長女ですし、親戚の中でも一番年上だったりするので、お姉ちゃんに憧れたり頼ったりする感覚があまり分からずに想像するしかなかったのですが、なにより姉としての富江の存在感が大きかったので、自然と妹になれましたね。みうちゃんみたいなお姉さんは欲しいけど、富江みたいなお姉さんは嫌です(笑)」

仲村「良かった…自分が否定されなくて(笑)」

井口「僕はクランクインしてすぐの二人を見た時、普通に姉妹に見えたこともあり、特に心配はしませんでしたね。注文をつけるまでもなかったです」……続きを読む