ビジネスツールとしても優れたiPad 2

筆者は初代iPadを、主に打ち合わせ用のツールとして使っているが、iPad 2であれば活用の幅も広がりそうだ。たとえば、iPad 2には、オプションでHDMIケーブルでテレビなどと接続するための「Digital AV Adapter」が用意されている。これを接続すれば、iPad 2の画面をそのまま出力できるというわけだ。プレゼンで使えば、ちょっとしたジョブズ気分を味わえるかもしれない(笑)。会議室などのスクリーンに映し出し、データを共有するという用途にも向いている。

「Digital AV Adapter」にはHDMI端子だけでなく30ピンコネクタもあり、テレビに出力しながら充電できる

軽さを活かした「Smart Cover」でiPadを立てかけることも可能。画面をタッチして文字を素早く打つのはさすがに厳しいものの、キーボードとセットで持ち運べば、メモツールとしても活躍しそうだ。ビジネスをサポートするための各種アプリが充実しており、それらを初代iPadから丸ごと引き継げるのも魅力と言えるだろう。

「Smart Cover」は折りたたんでiPad 2用のスタンドにもなる

初代iPadで仕事をする際に欠かせなかったVNCアプリ「iTeleport」もそのまま動く。アプリの引継ぎが簡単なのがうれしい

一方で、物足りない部分がないわけではない。これだけ高速に動き、バッテリの保ちもいいなら、Safariを標準でFlashに対応させてほしかった。スタイル重視で作られたページはまだまだFlashが使われていることが多く、iPadのSafariだとそのような時になす術がなくなってしまう。もちろん、AppStoreには「Puffin」のようなFlash対応ブラウザもあるが、Safariの操作性がいいだけに残念だ。

また、ホームボタンをダブルクリックするというマルチタスクの操作も、iPhoneならいいが、画面の大きなiPadだとやや違和感がある。日本語入力に関しては、まだ変換精度を高めることができるだろう。iPhoneに搭載されたフリック入力のように、iPadならではのアイディアも見てみたい。

とは言え、これだけのデバイスがわずか44,800円からというのは、やはり安いと思う。迷ったらとりあえずもっとも低価格でキャリアとの契約も不要なWi-Fi版を購入し、利用スタイルを模索したあとに乗り換えるというのもアリだ。