iPad強制充電機能などの独自機能も
インタフェース類は本体左右側面に配置される。左側面にはSDカードスロット、HDMI出力、ギガビットイーサ、D-Sub15ピンを装備。Fusion APUのグラフィックス機能がサポートするHDMI出力を持つことで、個人利用なら自宅の大画面テレビへ出力したりできる。ビジネスユースを考えると大画面テレビへのHDMI出力だけでなく、いまだプロジェクターへの出力で使用頻度が高いD-Sub15ピンも持っているのは便利だ。
右側面にはUSB 2.0×2、ヘッドホン出力、マイク入力を備えている。USBが2ポートに留まる点は、このクラスとしてもやや物足りない印象を受けるのと、右側面に並んで配置されているのみであることから、USBデバイスの形状によっては実質1ポートしか使えないシチュエーションも想定される。できれば左側面や前背面にプラス1ポートあると心強かったと思う。
ちなみに、USBポートについてはMSI独自機能が提供される。それが「i-Charger」と呼ばれるもの。これはUSB端子のアンペア数を強制的に引き上げ、定格の500mA出力時よりも高速にUSB充電を行える。また、通常はPCが持つUSB接続では充電が行われないiPadなどへの充電も可能にしているのもポイントだ("i-"という名称からすると後者の機能をよりアピールしたいのだろう)。こうした台湾ベンダーの製品に採用例が多く、USBバスパワーによって充電するデバイスが増加した昨今では、非常にありがたい機能といえる。
このほか、珍しいところでは、製品のバッテリの校正ツールも用意されている。リチウムイオン電池はニッケル水素電池のようなメモリー効果は起こらないが、少し使って充電することを繰り返してると、バッテリ制御を行うマイコンに補正がかかり、十分に使い切っていないのにバッテリが切れてしまう事態が起こることがある。バッテリの校正ツールを用いることで、安全に完全放電をすることで正しい容量でバッテリ切れと判定するように補正し直す作業になる。普段からバッテリ切れぎりぎりまで使うといった使用方法ならあまり問題にならないが、とくに自宅やオフィス中心に使うユーザーはこうした作業を定期的に行うようにしたい。