グラフィックスのGeForceと統合されたチップによって、NVIDIAはPCだけでなくモバイル端末、ワークステーション、ゲーム機まで、幅広いデバイスに同社の製品を展開していくことを目指す。次期WindowsがARM対応することから、これも追い風になるとみている。これまでPCビジネスで培ってきたパートナーとの協業も活用しながら、モバイル端末でも新たなビジネスを展開していく意向だ。
WindowsのARM対応によって、今後ARMベースのCPUの出荷台数は大きく伸びると予測。今年1月に米国で開催されたInternational CES 2011のデモでは、Officeも動作していた点をアピール |
こうした製品だけでなく、自動車向け、家電製品向けなど、さらなる対応製品の登場にも期待。次期Tegra製品をハイエンド端末に、既存のTegra 2をより低価格な製品に使うといった方向性も視野に、パフォーマンスと省電力で攻勢をかけていきたい考えだ。
国内初のTegra 2搭載タブレットOptimus Pad
説明会では、Android 3.0(Honeycomb)、Tegra 2を搭載したタブレット端末を発売しているLG電子のキム・ヒチョル氏も登壇した。
LG電子では、iPad以降のタブレット人気の中で、ディスプレイサイズは約10インチ、7インチ、5インチ程度のものが多かったが、キム氏は「10インチだと大きくて持ち運びしにくい。7インチだとリッチなコンテンツを見るには小さい」という点から、その中間となる8.9インチが一番いいのではないか、と推測する。キム氏は「片手で持てる最大のサイズ」が8.9インチだとし、このサイズは現在LGだけだと自負を見せる。
Optimus Padはエンターテインメントタブレットという位置づけで、IPS液晶とステレオスピーカーで動画視聴性能を高めており、HDMI出力機能で大画面テレビにも出力できる。これを実現するために、動画もゲームも快適に動作するTegra 2を採用している点をアピールしている。また、独自のアプリストアを用意しており、現在は韓国の動画、ミュージックビデオ、LG電子製アプリなどが提供されている。LG電子製端末購入者はすべて無料で利用でき、5~6月頃までには100種類程度のコンテンツを準備。国内のマンガコンテンツで、第1巻が無料で読めるサービスも提供する。
LG電子はこれまで日本で6年程度の携帯ビジネスをやっているが、これまではグローバルで販売されていた端末をカスタマイズして、海外より遅れて発売していたが、Optimus Padは、世界でも最も早く発売した端末であり、「最初から日本で一番に発売することを目標に開発を進めてきた」(キム氏)という。日本でOptimusブランドを浸透させ、「本気でトップシェアのベンダーになる」(同)ことを狙っているそうだ。