パフォーマンスに加えて省電力も特徴だ。シングルコアに比べて、デュアルコアの場合は40%少ない電力で同じ処理を実行することができる。2つのコアに負荷を分散できるため、1つ1つの処理は少なく、全体としても消費電力が低減できるという。
また、Tegra 2では8つのコアで細かく電力制御を行っており、たとえば音楽再生時はオーディオプロセッサと制御用のARM7だけが常時動作し、CPUコアは必要なときだけ動作し、ほかのコアは全く動作しない。そのため最小限の電力で動作するため省電力になるとしている。
Tegraシリーズは、今後次期バージョンのKAL-ELが登場。Tegra 2に比べて5倍程度のパフォーマンス向上を図り、PC向けCPUのCore 2 Duo並みのパフォーマンスになるそうだ。このために、NVIDIAはCortex A15のライセンスを取得。さらにその後はARMアーキテクチャのライセンス自体を入手し、ARMコアを自社開発していく考えだ。ロードマップとしては、Tegra 2比でパフォーマンス10倍のWAYNE、数十倍のLOGAN、そして75倍程度のSTARKまでが公表されており、今後さらなるパフォーマンスの向上を図っていくとしている。
Tegraシリーズのロードマップ |
今年2月にスペインで開催されたMobile World Congress 2011で実施されたKAL-ELのでも。Core 2 Duo(T7200)を超えるパフォーマンスを実現 |
サン氏は、モバイル端末で現在の75倍のパフォーマンスが実現することで「何ができるという想像は付かないが、そのころになるとそれが当たり前になる」として、新たな使い方が生まれるという認識だ。